NY円、小反発 1ドル=103円50~60銭 ポンドやユーロに対するドル売りが波及
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【NQNニューヨーク=古江敦子】23日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小反発し、前日比5銭円高・ドル安の1ドル=103円50~60銭で取引を終えた。英国と欧州連合(EU)が貿易交渉で近く合意するとの観測や、新型コロナウイルスのワクチン普及期待から、ドルがユーロや英ポンドに対して下落した。ドル売りの流れが対円にも波及した。
EUのバルニエ首席交渉官が英国との貿易協議で進展があったと述べたと22日に伝わった。23日は「ジョンソン英首相が近く合意を公表する可能性が高い」と報じられ、午前に英ポンドがドルに対して急伸した。
米製薬のファイザーが23日、新型コロナのワクチンを追加供給する契約を米政府と結んだと発表した。ワクチン普及の期待から米株市場でダウ工業株30種平均が上昇し、流動性が高いドルがユーロやオーストラリアドルなどに対して下落。対円でのドル売りにつながった。
もっとも円の上値は重かった。投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方が広がったため、ドルと同様に低リスク通貨とされる円には売りが出やすかった。
円の高値は103円40銭、安値は103円65銭だった。
円は対ユーロで3営業日ぶりに反落し、前日比10銭円安・ユーロ高の1ユーロ=126円10~20銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで4営業日ぶりに反発。前日比0.0025ドル高い1ユーロ=1.2180~90ドルで終えた。ワクチン普及への期待の高まりで、リスク選好のユーロ買い・ドル売りが優勢となった。この日の高値は1.2220ドル、安値は1.2161ドルだった。