ロンドン外為5日 英ポンド、対ドルで下落 英金融引き締め継続観測が後退
【NQNロンドン=菊池亜矢】5日のロンドン外国為替市場で英ポンドは対ドルで下落し、英国時間16時時点は1ポンド=1.2370~80ドルと前日の同時点に比べ0.0120ドルのポンド安・ドル高で推移している。イングランド銀行(英中央銀行)による利上げ継続の観測が後退し、ポンドに売りが出ている。
英中銀は5日、政策金利を0.25%引き上げ、年1%にすることを決めたと発表した。経済見通しでは成長率の鈍化やインフレ率の上振れ、失業率の上昇など英景気が減速するとの予測が示された。
同日公表した議事要旨によると、当面の金融政策について「追加的な金融引き締めが適当となるかもしれない」との方針は「適切ではない」との意見が一部の委員から出たことが明らかになった。英中銀が景気減速懸念を強めており、金融引き締めサイクルの停止が近づいているとの見方からポンド売りが急速に広がった。
ユーロは対ドルで下落し、英国時間16時時点は1ユーロ=1.0520~30ドルと前日の同時点に比べ0.0020ドルのユーロ安・ドル高で推移している。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め方針は変わらないとの見方から米長期金利が上昇し、ユーロ売り・ドル買いが優勢となっている。
円は対ユーロで横ばい。英国時間16時時点は1ユーロ=137円10~20銭と、前日の同時点と同じ水準で推移している。