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株、強まる膠着感 振り返れば「いまが買い場」か

28日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日比110円高の2万9102円となった。前週半ばに水準を切り下げた後は2万9000円の節目を挟んだ動きが続く。相場に明確な方向感を与えるような材料が乏しいなか、市場では膠着状態がしばらく続くとの声が出始めている。

前日の大引け後に2021年3月期決算を発表したファナックアドバンテスト。会社側が示した22年3月期の純利益見通しはいずれも市場予想の平均であるQUICKコンセンサスを下回った。両銘柄は28日、ともに下げて始まった後、上昇に転じて午前の取引を終えた。

安川電機の決算をきっかけに始まった「好決算でも売り」の流れは止まったのか。東海東京調査センターの鈴木誠一チーフエクイティマーケットアナリストは「29日の祝日を前に投資家の持ち高調整が続いているにすぎない」とみる。ファンドマネジャーなど複数の銘柄を保有する投資家による決算に反応した売買が中心で、新規に売りや買いの持ち高を積み上げようとする動きは少ないという。

実際、取引は4月に入ってから盛り上がっていない。東証1部の4月の売買代金は1日平均(27日まで)で約2兆3100億円と、昨年12月以来の低水準となっている。

4月はダウ工業株30種平均やナスダック総合株価指数が最高値を更新するなど、米株は相変わらず堅調だが、日本株は上値の重さが目立つ。日本国内では新型コロナウイルスの感染が広がり、緊急事態宣言の発令に至ったことで、内需株を中心に売られたことが主因だ。

だが、三菱UFJ国際投信の石金淳チーフファンドマネジャーは「米経済の強さは輸出企業を中心に日本企業にはプラスに働く。日本株に弱気になる必要はない」と話す。

動きの鈍い相場はいつまで続くのか。国内のワクチン接種のスケジュールがはっきり見えない限り、「ワクチン相場」はまだ早い。大型連休が明け、企業決算の発表が一巡するころには東京五輪・パラリンピックの開催を巡る思惑が市場の中心に出てくる可能性がある。その後は、衆院解散をめぐって政治の季節に――。鈴木氏は「夏ごろまでレンジ相場が続く可能性がある」とみている。

「後に振り返ってみると、いまが買い場だった、ということになるかもしれない」。あるファンドマネジャーは最近の日本株の底堅さをみて、こうつぶやいた。それでもまだ、「いまこそ買い」と言えないようなムードが市場に漂っている。

〔日経QUICKニュース(NQN) 三輪恭久〕

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