<米国>テスラ4%高 S&P500指数組み入れ控え売買高膨らむ
【NQNニューヨーク=岩本貴子】(米東部時間11時30分、コード@TSLA/U)18日の米株式市場で電気自動車のテスラ株が続伸している。前日比4.4%高の684.75ドルをつけ、株式分割を考慮した上場来高値を更新した。21日から機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数へ組み入れられるため、売買が急増している。株価指数に連動するパッシブファンドなどからの買いが見込まれる一方、買いが入ることを想定して先回りで買っていたヘッジファンドや個人投資家から売りが出ているもようだ。
11時30分時点の売買高は約3958万株。17日の売買高(5627万株)の7割に達した。過去25日間の平均売買高の8割にのぼる。テスラの時価総額は6217億ドル(17日時点)と米企業で6位。S&P500種指数に新規に組み入れられる銘柄としては過去最大となる。
テスラ株は21日の取引開始前にS&P500種指数に組み入れられる。年金基金や上場投資信託(ETF)などパッシブ型で運用する投資家は、実務上18日終値でテスラ株をポートフォリオに組み入れる必要がある。パッシブファンドに比べ、運用の自由度が高いアクティブファンドからも大規模な買いが発生する見込み。米CNBCによると、17日の終値を基にした試算では852億ドルの買い需要が発生するという。
テスラを組み入れる代わりに指数から除外される不動産投資信託(REIT)のアパートメント・インベストメント・アンド・マネジメント(AIV)の時価総額はテスラの100分の1にすぎない。パッシブファンドはAIVを売却しても、S&P500種指数全体の時価総額の1%を占めるテスラ株を購入するには資金が大きく不足する。そのため、資金捻出を目的に残りの499銘柄あるいは一時的にS&P500種指数の株価指数先物を売る必要が出てくる。18日の取引終了にかけては値動きの荒い相場展開を見込む声もある。