7月の景気一致指数、2カ月ぶり低下 半導体や部品不足響く
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内閣府が7日発表した7月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比0.1ポイント低下の94.5となった。低下は2カ月ぶり。QUICKがまとめた市場予想の中央値と同じだった。世界的な半導体不足やアジアの新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品不足で自動車生産が低調に推移し、指数を押し下げた。
一致指数を構成する10指標で公表済みの8指標のうち、5つがマイナス、3つがプラスに寄与した。自動車工業や電気・情報通信機械工業などが低下し「生産指数(鉱工業)」が2カ月ぶりに低下した。アジアや米国向けの輸出が減少し「輸出数量指数」も2カ月ぶりに低下した。一方、夏物衣料の好調で「商業販売額(小売業)」は上昇した。
一致指数の動きから機械的に求める基調判断は、景気拡張の可能性が高いことを示す「改善」で据え置いた。「改善」の判断は5カ月連続。
数カ月後の景気を示す先行指数は前月比0.5ポイント低下の104.1と、2カ月ぶりに低下した。無機・有機化学工業や電気・情報通信機械工業の出荷の伸びが低調で在庫率が上がり「鉱工業用生産財在庫率指数」がマイナスに寄与した。
景気の現状に数カ月遅れて動く遅行指数は前月比0.2ポイント低下の93.8で、2カ月ぶりに低下した。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気動向の大きさやテンポを表し、景気の現状を暫定的に示す。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕