米国株、ダウ続伸し94ドル高 原油相場下落を好感 ナスダックは反発
【NQNニューヨーク=古江敦子】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比94ドル65セント(0.3%)高の3万4955ドル89セントで終えた。直近の2週間で1900ドル強上げており、目先の利益を確定する売り先行した。だが、原油安を受けて消費関連銘柄の一角が買われたほか、ハイテク株が買い直され、ダウ平均は取引終了にかけて上げに転じた。
米原油先物相場が終値で7%下落した。ガソリン高が消費を冷やすとの懸念が後退し、小売りのウォルマートやホームセンターのホーム・デポ、クレジットカードのビザなど消費関連銘柄が上昇した。
ハイテク株も高い。ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは2%高で終え、ダウ平均を押し上げた。市場では「四半期末が近づき、年初来で相対的に下げが大きいハイテク株に持ち高調整の買いが続いている」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声があった。
米株は午前は売りが先行し、ダウ平均は昼ごろに309ドル安まで下げる場面があった。前週まで急上昇した反動で利益確定売りが出た。今週は2月の米個人消費支出(PCE)の物価指数、3月の米雇用統計が発表される。29日にはウクライナとロシアの停戦交渉が再開される見通しだ。これらの結果を見極めたい投資家も多く、午前中は上値を追う動きに欠けた。
米債券市場では長期債や超長期債の利回りが低下する一方、2年債や短期債の利回りは上昇し、利回り曲線が平たん化した。利ざや縮小につながるとの見方から金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスが下げた。原油相場の下落で石油のシェブロンも安い。
ハイテクが多いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比185.602ポイント(1.3%)高の1万4354.902で終えた。株式分割の計画が明らかになった電気自動車のテスラが8%高で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや半導体のエヌビディアなど主力株が上昇した。
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