米国株、ダウ続伸し183ドル高 物価指標見極めで伸び悩む ナスダックは5日ぶり反発
【NQNニューヨーク=戸部実華】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比183ドル56セント(0.5%)高の3万3781ドル48セントで終えた。景気懸念からこのところ相場が下げていた反動で押し目買いが優勢だった。ただ、9日に発表される11月の米卸売物価指数(PPI)を見極めたい投資家が多く、買い一巡後は上値が重かった。
ダウ平均は今週に入ってから830ドルほど下げ「短期間で売られすぎ」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との見方があった。8日発表の週間の米新規失業保険申請件数が小幅ながら前週比で増加した。失業者の増加を受け、米連邦準備理事会(FRB)が一段の利上げに動くとの懸念が和らいだことも株式相場を支えた。
ダウ平均の上げ幅は300ドルを上回る場面があったが、次第に伸び悩んだ。米景気を巡る先行き不透明感は根強い。13~14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、委員らの来年の政策金利見通しに注目が高まっている。9日に発表されるPPIや13日に発表される11月の米消費者物価指数(CPI)の結果を見て今後の金融政策のヒントを得たい投資家が多く、積極的な買いは見送られた。
アナリストが目標株価を引き上げた航空機のボーイングが買われた。スポーツ用品のナイキやホームセンターのホーム・デポなど消費関連株の一角も高い。前日まで下げが目立ったハイテク株も買い直され、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルが反発した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、前日比123.450ポイント(1.1%)高の1万1082.003で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのメタプラットフォームズが高い。半導体関連株の上昇が目立ち、エヌビディアは7%高で終えた。
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