米国株、ダウ続落し630ドル安 米大幅利上げ継続の見方、ナスダック3%超安
【NQNニューヨーク=横内理恵】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比630ドル15セント(2.1%)安の2万9296ドル79セントで終えた。7日朝発表の9月の米雇用統計は労働需給がなお引き締まっていることを示し、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まった。米長期金利が一時3.9%台(前日終値は3.82%)に上昇したのも、株式の割高感につながった。
米雇用統計では景気動向を映す非農業部門の雇用者数が前月比26万3000人増と、市場予想(27万5000人増)ほど増えなかった。一方、失業率は3.5%となり、市場予想や8月実績(いずれも3.7%)を下回った。平均時給の伸び率は前年同月比5.0%と市場予想(5.1%)を下回ったが、引き続き高い水準だった。
市場では「依然として労働市場の過熱感は強い」(JPモルガン)との声が目立った。FRBが9月に続いて11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍の0.75%の利上げを決め、12月以降も大幅利上げを続けるとの見方が強まった。
6日夕に半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が発表した2022年7~9月期決算の速報値が市場予想を下回った。7日に韓国サムスン電子が発表した22年7~9月期の営業利益は32%減となり、予想も下回った。世界景気の減速を受けた半導体需要の弱含みが鮮明になり、米企業業績の下振れ懸念につながったのも相場の重荷だった。
ダウ平均は780ドルあまり下げる場面があった。週前半には景気減速で主要な中央銀行が利上げペースを緩めるとの観測から、戻りを試していたが、主要中銀の政策転換への期待が後退。株などリスク資産の持ち高を手じまう動きが広がった。
14%近く下げたAMDに連れ安し、ダウ平均では同業のインテルの下げが目立った。金利上昇で相対的な割高感が意識されやすいソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなどハイテク株にも売りが広がった。スポーツ用品のナイキなど消費関連株も下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に3日続落し、前日比420.906ポイント(3.8%)安の1万0652.405で終えた。エヌビディアなど半導体株全般に売りが広がった。電気自動車のテスラも大幅安だった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)によるツイッター買収に絡んで同氏によるテスラ株売却の懸念などが引き続き売りにつながった。