米国株、ダウ反発し69ドル高 FOMC議事要旨の公表後に買い ナスダックは3日続伸
【NQNニューヨーク=戸部実華】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比69ドル86セント(0.2%)高の3万1037ドル68セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が午後に公表した6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は新たな材料に乏しく、タカ派的な内容を警戒していた投資家が安堵感から買いを入れた。米景気後退入りが意識される中で相場の上値は重く、業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株への買いが目立った。
FOMC議事要旨では、参加者が次回7月の会合で「0.5%か0.75%の利上げが適切になるだろう」とみていたことがわかった。「インフレ圧力の高まりが続くならば(中立金利を上回る)一段と引き締め的な政策スタンスが適切になり得る」との認識も示した。ただ、全体的にFOMC後のパウエル議長の記者会見での発言に沿い、市場では「タカ派色を一段と強める内容ではない」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)とみなされた。
米金融引き締めが景気を冷やすとの見方が広がる中、業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株が買われた。医療保険のユナイテッドヘルス・グループが2%高で終えた。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)と製薬のメルクも高い。
今年上半期に下げがきつかったハイテク株も買い直され、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルがともに1%高となった。顧客情報管理のセールスフォースも上昇した。
一方、景気敏感株や消費関連株の一角は売りが優勢だった。米長期金利の指標である10年物国債利回りは一時、前日比0.12%高い2.93%を付けたが、2年債利回りを下回る「逆イールド」状態が続いた。景気後退の予兆とみなされる。利ざや縮小懸念から金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが売られた。航空機のボーイングやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスも下げた。
米原油先物相場の下落で石油のシェブロンが売られた。資源高が業績の追い風になる建機のキャタピラーも安い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比39.614ポイント(0.3%)高の1万1361.852で終えた。検索サイトのアルファベットやネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力ハイテク株が買われた。半導体株も軒並み上昇した。
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