米国株、ダウ続伸し39ドル高 景気敏感株に買い S&P500種とナスダックは最高値
【NQNニューヨーク=岩本貴子】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比39ドル24セント(0.1%)高の3万5405ドル50セントで終えた。過去最高値が近づき、高値警戒感から朝方は短期的な利益確定売りが先行した。だが、新型コロナウイルスのワクチンの普及や、米政権の大型の財政支出による景気拡大を期待した買いが次第に優勢になった。
医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンは25日、新型コロナワクチンの追加接種(ブースター接種)で効果的な免疫反応が確認できたと発表した。米食品医薬品局(FDA)がファイザーと独ビオンテックの新型コロナワクチンを正式承認し、米企業では従業員に接種を事実上、義務化するところが増えている。ワクチンが普及し、経済活動の再開が進むとの見方が広がった。
米下院は24日夕、子育て支援などに10年で3.5兆ドルを支出する予算案を可決した。成立すれば長期的な経済成長につながるとの期待も株買いを後押しした。景気敏感株が堅調に推移し、建機のキャタピラーや化学のダウが高い。米債券市場では長期金利が上昇し、利ざや改善を見込んでゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。
ただ、ダウ平均の上値は重かった。過去最高値が近づいているとあって、短期的な過熱感を警戒した売りが出やすい。27日の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されている。講演内容を見極めたい投資家が多く、上値を追う動きは限られた。
ダウ平均の構成銘柄以外では半導体メモリーのウエスタンデジタルが8%高と急伸した。半導体メモリーのキオクシアホールディングスとの合併交渉が進んでいると伝わり、好感した買いが入った。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。前日比22.059ポイント(0.1%)高の1万5041.859で終え、連日で過去最高値を更新した。半導体のエヌビディアが高い。米エネルギー省が同社の半導体を搭載したスーパーコンピューターを採用する見通しだと伝わった。主力株では検索エンジンのアルファベットと交流サイトのフェイスブックが高い。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日比9.96ポイント(0.2%)高の4496.19で終え、過去最高値を更新した。