米国株、ダウ続伸し6ドル高 パウエル議長会見で買われる ナスダックも続伸
【NQNニューヨーク=戸部実華】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比6ドル92セント(0.02%)高の3万4092ドル96セントで終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表後は利上げ継続が意識され、500ドル超に下げ幅を広げる場面があった。だが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の会見中に急速に下げ渋り、上げに転じた。
FRBは1月31日~2月1日に開いたFOMCで、市場の予想通り0.25%の利上げを決めた。利上げ幅は前回の0.5%から縮小した。声明では「継続的な引き上げが適切」との前回の表現を維持。今後も複数回の利上げが継続されるとの見方を誘い、株売りを促す場面があった。
だが、パウエル議長の記者会見が始まると、ダウ平均は下げ渋った。これまでの金融引き締めの効果で「昨年の米経済の伸びは大幅に減速した」との認識を示した。さらに質疑応答で「初めてディスインフレーション(インフレ沈静化)のプロセスが始まったといえる」と述べた。
市場では「議長会見はインフレに対してハト派的だ」(CIBCエコノミクス)と受け止められた。「利上げ停止は近い。深刻な景気悪化を招かずにインフレを抑制できる」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)と、FRBが金融引き締めの手を緩めることでソフトランディング(軟着陸)を期待する声も聞かれた。
米長期金利が低下し、相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株が買われた。顧客情報管理のセールスフォースとソフトウエアのマイクロソフトが2%ほど上げた。スポーツ用品のナイキやホームセンターのホーム・デポなど消費関連株も高い。
半面、前日夕に発表した決算を受け、アナリストの目標株価引き下げが相次いだバイオ製薬のアムジェンは売られた。米原油先物相場が下落し、石油のシェブロンと建機のキャタピラーも下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比231.768ポイント(2.0%)高の1万1816.320で終えた。ほぼ5カ月ぶりの高値。前日夕に市場予想を上回る決算を発表した半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が13%高となった。エヌビディアなど同業にも買いが波及した。電気自動車のテスラも高い。
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