米国株、ダウ反落し368ドル安 長期金利上昇と金融引き締めを警戒 ナスダックも大幅安
【NQNニューヨーク=横内理恵】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比368ドル03セント(1.0%)安の3万4792ドル76セントで終えた。好決算銘柄が買われて高く始まったが、米長期金利の上昇を受けて伸び悩み、午後に下げに転じた。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めへの警戒も広がった。ダウ平均の日中の高値と安値の差は768ドルに達した。
ダウ平均は午前に330ドルあまり上げる場面があった。21日朝発表の2022年1~3月期決算が市場予想を上回った化学のダウが一時6%あまり上げた。ダウ平均の構成銘柄以外では、22年4~6月期に黒字化の見通しを示したユナイテッド航空ホールディングスなど空運株の上昇が目立った。
ただ、朝高後は売りが優勢になる展開で、ダウ平均は午後に436ドル安まで下げた。長期金利が2.9%台に上昇し、高PER(株価収益率)のハイテク株などの売りを誘った。FRBのパウエル議長が午後に国際通貨基金(IMF)主催の討議に参加し、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「通常の倍の0.5%の利上げを検討する」と発言。「私の考えではもう少し速いペースで動くことが適切だ」とも述べた。金融引き締めが強まることへの警戒感も投資家心理の重荷となった。
ダウ平均は前日までの2日間で750ドル近く上げていた。「この先の決算を見極めたい投資家が多く、利益確定売りが出た」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・オルーク氏)との指摘もあった。
顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが5%安、ソフトウエアのマイクロソフトは2%下げた。アナリストが投資判断を引き下げた石油のシェブロンの下げも大きかった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比278.413ポイント(2.1%)安の1万3174.652と、3月中旬以来の安値で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズが連日で大幅安となり、ネット通販のアマゾン・ドット・コムも安い。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体の下げも目立った。20日に35%下げた動画配信のネットフリックスへの売りも続いた。
一方、前日夕発表の1~3月期決算が過去最高益となった電気自動車のテスラは上げて終えた。
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