米国株、ダウ続伸し32ドル高 利上げ減速観測が支え ナスダックも続伸
【NQNニューヨーク=川上純平】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比32ドル49セント(0.1%)高の3万3747ドル86セントで終えた。前日にインフレピークアウト観測から1200ドルあまり上昇した反動で利益確定売りが先行した。ただ、投資家心理の改善を支えに下値は堅く、景気敏感株やハイテク株を中心に買われ、午後に上昇に転じた。
前日発表の10月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を下回った。株式市場ではインフレが和らぎ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが減速するとの期待が高まった。
11日のダウ平均は利益確定売りに押されて一時320ドル安となったが、売り一巡後は下げ渋る展開。中国当局が11日、新型コロナウイルスの感染対策を一部緩和すると発表し、中国経済への懸念が薄れたのも相場を下支えした。
化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエムなど景気敏感株のほか、スポーツ用品のナイキといった消費関連株の上昇が目立った。前日の米長期金利の急低下を受けて、ソフトウエアのマイクロソフトなどハイテク株への買いも続いた。
半面、医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株は下げた。FRBの金融引き締めが景気後退を招くとの警戒感が後退し、ディフェンシブ株から景気敏感株などに資金が移った。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前日比209.184ポイント(1.9%)高の1万1323.331で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の上昇が目立った。
ナスダック指数は週間で848.077ポイント(8.1%)上昇した。週間での上昇率は3月以来の大きさとなった。
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