米国株、ダウ続落で79ドル安 堅調な米雇用指標が売り誘う ナスダックも続落
【NQNニューヨーク=戸部実華】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比79ドル75セント(0.2%)安の3万2653ドル20セントで終えた。午前に発表された米雇用指標が堅調で、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢が続くとの観測が相場の重荷となった。もっとも、2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル議長の記者会見を見極めたい投資家も多く、積極的な売買は見送られた。
1日発表の9月の雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数が前月比で2カ月ぶりに増え、市場予想を大幅に上回った。失業者数を求人件数が大幅に上回り、賃金上昇につながるとの見方を誘った。
FRBは今回のFOMCで4会合連続で0.75%の利上げを決める見込み。市場の関心はその次の12月会合の利上げ幅や政策金利の終着点に移っている。市場が見込む12月会合の利上げ幅は0.75%と0.50%で二分されており、投資家は議長会見で政策の行方を探ることになる。「議長会見の内容が目先の株式相場を大きく左右する」(キングスビュー・インベストメント・マネジメントのポール・ノールト氏)との見方から、様子見ムードが強かった。
JOLTS発表後に長期金利が下げ止まり、長期金利上昇時に売られやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が下げた。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフト、顧客情報管理のセールスフォースはいずれも2%安で終えた。製薬のメルクや医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株も安い。
半面、米経済は堅調との見方から景気敏感株の一角が買われた。金融のJPモルガン・チェースと同業のゴールドマン・サックス、建機のキャタピラーが高い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比97.300ポイント(0.9%)安の1万0890.846で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや検索サイトのアルファベットの下げが目立った。
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