米国株、ダウ反発し466ドル高 ハイテクに買い 21年ぶり7週連続の下落
【NQNニューヨーク=横内理恵】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反発し、前日比466ドル36セント(1.5%)高の3万2196ドル66セントで終えた。前日までの6日続落で2330ドル(6.8%)下げており、短期的な自律反発を期待した買いがハイテク株を中心に優勢だった。
ダウ平均は一時、前日比545ドル上昇した。今週は前日にかけて株式の信用取引や暗号資産(仮想通貨)取引の買い方が相場下落を受けたマージンコール(追い証)に対応するために、保有資産を売却したことが相場急落を招いたとの見方があった。市場では短期的には損失覚悟の投げ売りが一巡したとの観測もあった。週末を控え、投機筋を中心に積み上がっていた売りの持ち高を解消する動きもこの日の相場上昇につながったもようだ。
ダウ平均は上げ幅を132ドルまで縮小する場面もあった。インフレ懸念や米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めへの警戒感は根強く、中長期主体の買いが入りにくい。この日も短期主体の売買が中心で、値動きの荒い展開だった。
足元で下げが目立ったハイテク株が買われた。前日に1月4日に付けた上場来高値からの下落率が「弱気相場」入りの目安とされる2割を超えたスマートフォンのアップルが3%上昇した。顧客情報管理のセールスフォースとソフトウエアのマイクロソフトも高い。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと同業のビザといった消費関連銘柄も上げた。
中国関連銘柄とされる航空機のボーイングやスポーツ用品のナイキなども上げが目立った。都市封鎖(ロックダウン)中の中国・上海市は13日、5月中旬をメドに新規感染者数を「実質ゼロ」とする目標を示した。目標達成後は外出・営業制限を段階的に緩和する見通しで、中国の景気減速に対する過度な警戒感がやや和らいだ。
ダウ平均は週間で702ドル(2.1%)下落し、7週連続で下げた。7週連続の下落は2001年5~7月以来、21年ぶり。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続伸し、前日比434.040ポイント(3.8%)高の1万1805.002で終えた。上昇率は今年最大だった。ハイテク大手に買いが広がり、ネット通販のアマゾン・ドット・コムと電気自動車のテスラが6%、動画配信のネットフリックスは8%上げた。
一方、交流サイトのツイッターは10%下げた。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が偽アカウントの実態を把握するまで買収を一時保留すると表明したのを受けて売られた。
ナスダック指数は週間で2.8%下落し、6週連続で下げた。6週連続の下落は12年10~11月以来。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は3日ぶりに反発した。ただ、週間では2.4%安となり、11年5~6月以来となる6週連続の下落だった。