米国株15時、ダウ反発 米金融引き締めの長期化懸念和らぐ
【NQNニューヨーク=戸部実華】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、15時現在は前日比724ドル93セント高の3万3655ドル01セントで推移している。朝方に発表された2022年12月の米雇用統計で賃金インフレの減速が確認された。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化への懸念が和らぎ、幅広い銘柄に買いが優勢となった。
22年12月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比22万3000人増と市場予想(20万人増)を上回った。一方、平均時給は前月比0.3%増と、市場予想(0.4%増)を下回った。22年11月分は下方修正された。賃金インフレが和らぎつつあるとの見方が広がった。
米景気悪化を背景にFRBが金融引き締めの手綱を緩めやすくなるとの観測も株買いを後押しした。6日午前に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した22年12月の非製造業景況感指数は49.6と前月(56.5)から低下し、市場予想(55.1)も下回った。「経済指標の弱含みは早期のFRBの金融引き締め減速や利下げにつながるとの見方が株高を誘った」(IG)という。
一連の経済指標の発表を受け、米長期金利は一時3.5%台半ばと前日終値(3.72%)から大幅に低下した。株式の相対的な割高感が和らぎ、幅広い銘柄が買われている。化学のダウや建機のキャタピラーなど景気敏感株の上げが目立つ。ハイテク株ではスマートフォンのアップルが高い。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も反発している。
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