米国株、ダウ5日ぶり反発 雇用統計受け株買い直し
【NQNニューヨーク=川内資子】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比403ドル55セント高の3万2404ドル80セント(速報値)で終えた。4日発表の10月の米雇用統計は労働市場の引き締まりを示したが、米金融政策の見通しを変えるほどではないとの見方から株式を買い直す動きが優勢となった。ただ、米長期金利の上昇を受けて売りに押される場面もあり、不安定な相場展開だった。
雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比26万1000人増と市場予想(20万5000人増)を上回った。一方、失業率は3.7%と前月(3.5%)から上昇した。米労働市場は力強い状態ながらも、「米連邦準備理事会(FRB)が利上げ幅を縮小するとの観測を支える程度には減速した」(Bライリーのアート・ホーガン氏)と受け止められ、景気敏感株などの買いを誘った。
FRB高官による目先の利上げ減速に前向きな発言が相次いで伝わったのも相場を支えた。ボストン連銀のコリンズ総裁は4日の講演で、「金融政策を巡る焦点は政策金利を迅速に引き上げることから、十分に引き締め的になるような金利の最終的な到達点を決めることに移っている」と述べた。リッチモンド連銀のバーキン総裁も4日の米CNBCのインタビューで、利上げ幅の縮小に言及した。
ダウ平均は600ドル超上げた後、小幅安に転じる場面もあった。FRBは金融引き締め自体は当面続けるとの見方が多く、4日は米長期金利が一時4.20%と前日終値(4.15%)から上昇した。金利上昇局面で相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株などが売られ、相場の重荷となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も5営業日ぶりに反発し、前日比132.313ポイント高の1万0475.254(速報値)で終えた。
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