米国株15時、ダウ続落 ハイテク株に売り
【NQNニューヨーク=川上純平】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、15時現在は前日比226ドル00セント安の3万3827ドル94セントで推移している。朝方発表の1月の米雇用統計で雇用者数が市場予想を大幅に上回って増え、失業率は53年ぶりの低水準となった。労働市場の需給逼迫が改めて確認され、前日まで高まっていた米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの期待が後退した。
雇用統計では景気動向を映す非農業部門雇用者数が前月比51万7000人増と、前月(26万人増)と市場予想(18万7000人増)を大きく上回った。失業率は予想に反して3.4%に低下した。「労働市場は明らかに引き締まっており、3月と5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが続くとの見方が強まった」(CIBCエコノミクス)という。
もっとも、ダウ平均の下値は堅く、上げに転じる場面もあった。3日発表の1月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数は55.2と、好不況の分かれ目である50を上回った。米経済の底堅さに着目し、景気後退は避けられるとみた買いを誘ったようだ。
前日夕に発表した決算で高い利益率を維持したスマートフォンのアップルは買われたが、それ以外のハイテク株は売りが目立つ。雇用統計を受け、米長期金利が3.5%台に上昇(前日終値は3.39%)し、高PER(株価収益率)のハイテク銘柄の重荷となっている。
前日発表の決算が振るわなかったネット通販のアマゾン・ドット・コムとネット検索のアルファベットが大きく売られ、ハイテク株売りを主導している。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落している。
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