米国株15時、ダウ反落 コロナ拡大懸念で、ハイテク株に売り目立つ
【NQNニューヨーク=横内理恵】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、15時現在は前日比365ドル33セント安の3万4274ドル46セントで推移している。米国を含む世界各地で新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染者が相次いで確認され、感染拡大への懸念が投資家心理を冷やした。投資家のリスク回避姿勢が強まり、年初からの上昇率が大きい高PER(株価収益率)のハイテク株中心に持ち高を手じまう動きが広がっている。
米国ではニューヨーク州などでもオミクロン型の感染者が複数確認され、米国内でも感染が広がっている。米国に隣接するメキシコでも初めて感染者が確認された。ワクチンや治療薬の有効性が確認されるまで米国民が外出などを手控える可能性があり、目先の経済活動の縮小につながるとの懸念が強まった。
3日発表の11月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比21万人増と市場予想(57万3000人増)を大幅に下回った。平均時給の伸びも鈍化した。一方、失業率は低下し、労働参加率が上昇するなど雇用情勢の改善を示す部分もみられた。強弱混じる内容だったが、インフレへの懸念を強める米連邦準備理事会(FRB)は金融政策の正常化を加速させるとの見方が維持された。
ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコム、スマートフォンのアップルの下げが目立つ。航空機のボーイングも安い。雇用統計発表後に米長期金利が低下したのを受け、長短金利差の縮小による利ざやの悪化懸念から金融のJPモルガン・チェースなども売られている。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落し、前日比434.958ポイント安の1万4946.362で推移している。
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