米国株15時、ダウ続落 金融引き締め長期化への警戒で
【NQNニューヨーク=川上純平】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、15時現在は前日比53ドル46セント安の3万3796ドル00セントで推移している。前日に米連邦準備理事会(FRB)高官が金融引き締めの長期化を示唆したのが引き続き相場の重荷となっている。半面、中国の厳しい新型コロナウイルス規制が微修正されるとの期待は相場を下支えしている。
セントルイス連銀のブラード総裁とニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は28日、FRBの金融政策について一段の利上げ余地があると示唆した。30日にはFRBのパウエル議長の講演を控えており、投資家の間で積極的な金融引き締めが続くことへの警戒感が高まっている。
もっとも、下げ幅は限られている。中国の衛生当局は29日、新型コロナの防疫措置に関する記者会見で、高齢者へのワクチン接種強化や防疫措置の微調整の継続の方針を発表した。感染拡大を封じ込める「ゼロコロナ」政策への抗議活動が中国の主要都市で相次いだことを受け、前日には同国経済の悪化を懸念した株売りが広がっていた。過度な警戒感が和らぎ、下値では買いが入りやすくなっている。
米長期金利が上昇し、相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が安い。スマートフォンのアップルと顧客情報管理のセールスフォースが下げている。半面、化学のダウや航空機のボーイングなど景気敏感株は上昇が目立つ。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落している。
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