米国株、ダウ反発 景気回復の見通しで
【NQNニューヨーク=岩本貴子】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前日比242ドル22セント高の3万4062ドル60セント(速報値)で終えた。米バイデン政権の経済政策などを材料視し、景気敏感株の一角が買われた。
バイデン大統領は28日の施政方針演説で、インフラ投資計画や教育などを支援する「米国家族計画」の必要性を訴えた。大型の財政支出が米景気の回復を後押しすると改めて意識された。29日朝発表の週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万3000件減の55万3000件だった。3週連続で減少した。経済活動の再開で労働市場の改善が続いていると受け止められたことも投資家心理を上向けた。
米商務省が29日発表した2021年1~3月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比年率換算で6.4%増えた。政府による現金給付が個人消費の伸びを加速させた。堅調な消費の伸びが今後の米景気の回復を支えるとの見方を強めた。
長期金利の上昇を受け、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が上昇した。工業製品・事務用品のスリーエムや石油のシェブロンなど景気敏感株の一角も買われた。消費財関連も買われ、スポーツ用品のナイキやホームセンターのホームデポが高い。2021年1~3月期の売上高が新型コロナのまん延前の水準に戻った外食のマクドナルドも上げた。
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