米国株15時、ダウ571ドル安 FRB議長発言で売り
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【NQNニューヨーク=川内資子】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、15時現在は前日比571ドル11セント安の3万4564ドル83セントで推移している。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が30日の米議会証言で「テーパリング(量的緩和の縮小)を2~3カ月早く終えるのを検討することが適切だと思う」と述べた。米金融政策の正常化が前倒しで進むとの見方が強まり、幅広い銘柄に売りが優勢となった。
パウエル議長は11月に始めたばかりのテーパリングの加速を次回12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で議論する考えを示した。インフレについても「(物価押し上げ要因は)一時的との文言を撤回する時期に来ている」と述べた。市場では「タカ派寄り」の姿勢に転じたと受け止められた。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への警戒も相場の重荷だった。既存のワクチンや治療薬はオミクロン型には効果が薄いとの報道や発表が相次ぎ、投資家心理を冷やした。
化学のダウやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株の下げが目立つ。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトなど主力ハイテク株も売られた。