女性がクルマを変える カイゼンや新車開発に新風

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2014/7/27 7:00
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自動車業界で女性の存在感が高まっている。工場のカイゼン活動、新車開発、材料開発などこれまでどちらかというと男性的なイメージが強かった車づくりの現場で、女性の提案力が新たな風をふき込む。ほぼ全員が女性という製造ラインも登場している。少子高齢化の加速で今後労働力の減少が予想される。国も女性活用を推進する取り組みを進める中で変わり始めた車業界の現場を追う。

■働きやすい製造ライン追求

研修中のルノーの作業員に指導する日産の斉藤ちさとさん(写真中央、神奈川県横須賀市の日産自動車追浜工場)

研修中のルノーの作業員に指導する日産の斉藤ちさとさん(写真中央、神奈川県横須賀市の日産自動車追浜工場)

「ここにこんなからくりを入れるとスムーズに動くでしょう。ユー・アンダースタンド?」――。電気自動車(EV)「リーフ」などを生産する日産自動車の追浜工場(神奈川県横須賀市)。同工場内に設けられた研修施設で、生産企画統括本部の斉藤ちさとさん(45)は数人の外国人従業員らと、工場で使う部品を運搬するための搬送装置の試作品を囲んでいた。

斉藤さんは日産がグループの製造拠点で働く従業員向けに、生産効率を高めるためのノウハウを伝授する役割を担う。この日は資本提携先の仏ルノーから派遣された従業員の講師役を務めた。

通訳も介しながら日産が国内工場で積み上げた改善活動を国境を越えて伝える。普段の職場は神奈川県厚木市だが改善の指南役として海外の製造拠点も飛び回る毎日だ。

日産は2006年からグループの製造拠点を対象に少ない投資で工場のものの流れなどの効率を改善する活動を始めた。たとえばロボットなどを取り入れることで、作業者は別の部品の組み立てなどに従事できる。現在は国内外の工場やルノーの製造拠点に展開しており、この活動に関わって既に6年になる。

ある国内工場で無人搬送機を導入する計画があった。斉藤さんが別の国内工場の事例を参考にして搬送機の効率的な使い方などを助言し、導入コストが5割下がったケースもあった。

「女性が働きやすい製造ラインは誰でも働きやすい製造ラインなんですよ」。例えば女性の手が届きやすいように低い位置に工具を置くようにする。結果的に高齢の作業者や海外工場で働く経験が浅い作業者にも働きやすい仕組みとして定着していく。

斉藤さんは1991年入社。振り出しは横浜工場(横浜市)の技術部で、部内で初の女性社員。大学で専攻した情報工学を生かし製造ラインの生産性が上がるかをコンピューターでシミュレーションする日々を送った。

車が好きで入社したわけではない。「ラインに車が流れても、ようかんが流れても正直同じと思っていた」。車づくりの現場に関わる機会は少なく愛着も薄い方だった。

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