2018年12月11日(火)

防衛装備の輸出、新原則で初承認 米にミサイル部品

2014/7/18付
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政府は17日、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)の閣僚会合を開き、4月に決めた防衛装備移転三原則のもとで初めてとなる防衛装備の輸出と共同研究を承認した。いずれもミサイル部品で、三菱重工業による米国への輸出と、三菱電機の技術を使った英国との共同研究が第1弾となる。防衛産業大手が多い米英と連携を深め、国内防衛産業の底上げをねらう。

米国に輸出するのは地対空ミサイル「パトリオット2(PAC2)」の部品。標的を追尾する赤外線シーカーに組み込む「シーカー・ジャイロ」でミサイルの姿勢を調整できる。米防衛大手レイセオンのライセンスでPAC2を生産している三菱重工業が部品を作り、米国に輸出。米国はこの部品を使ったPAC2をカタールに輸出する。

審査では同盟国の米国は「装備品の適正管理の確実性は高い」と評価。米国への部品輸出に加え、米国からカタールへの完成品輸出も認めた。カタールについては「親米国で紛争に使われるリスクは低い」としている。

英国とは三菱電機の半導体技術を使い、ミサイルの精度を高める技術を共同研究する。英防衛大手MBDAが仏独など5カ国と開発中のF35戦闘機用のミサイル「ミーティア」が対象になる。

MBDAのミサイル関連技術と三菱電機のセンサー技術を組み合わせたシミュレーションをする計画で部品のやりとりはないという。現時点では研究にとどまり、装備化を前提にした開発ではないことから容認した。

共同研究を含む国際共同開発・生産への日本企業の参画については旧三原則のもと、2011年の官房長官談話で認めている。今回は三菱電機が「きわめて機微な技術を使う」(防衛省幹部)ため、新原則に基づいて改めて可否を判断した。共同開発する場合は再度、承認が必要になる。

新原則は紛争当事国への移転を禁じている。米英カタールは今は紛争当事国でないが、カタールはイラクやシリアなど紛争地域を抱える中東にある。パレスチナとの紛争が続くイスラエルへの米国からのPAC2輸出の可能性も防衛省は「(第三国移転は)米国の適正な管理のもとに進められる」と否定していない。

F35戦闘機は共同開発する米英豪などのほか、日本、韓国、イスラエルを含めた12カ国が導入する予定。配備は総計3000機超の見込みで、F35用ミサイルが各国がかかわる紛争で使われることもないとはいえない。

政府は実際に装備品を使う第三国や企業に最終的な用途について誓約書を求めたり、装備品の内部管理体制を文書で確認したりするなど紛争国への流出防止を徹底する。

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