2019年2月22日(金)

滋賀知事選で与党敗北 安保・経済、浸透せず

2014/7/15付
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自民党は13日投開票した滋賀県知事選で元民主党衆院議員の三日月大造氏に与党推薦候補が敗れたことを受け、安倍晋三政権が進める安全保障政策や経済政策「アベノミクス」が地方に十分に浸透していないと危機感を強めている。今後は福島、沖縄両県知事選や統一地方選などが控える。民意をつなぎ留めるには地方活性化策や安保政策への理解がカギを握るとみて対策を急ぐ。

「まだ国民の理解が十分でないことも事実。国民に対する丁寧な説明を心がけていく」。首相は14日の政府・与党連絡会議で、集団的自衛権問題が選挙結果に影響したとの見方を否定しなかった。6月26日の告示まで自民党に漂っていた楽観ムードが暗転したのは、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した7月1日。これを機に三日月陣営は30~40代の女性層などを主なターゲットにし、戦争に巻き込まれかねないと不安を抱く有権者を取り込む形で巻き返した。

与党陣営は集団的自衛権の争点化を避けるため、アベノミクスの地方浸透策を前面に打ち出した。石破茂幹事長ら自民党幹部や菅義偉官房長官が相次ぎ現地入りし、経済活性化策を訴えた。石破氏は自ら地元の企業や団体を熱心に回った。

共同通信社が実施した滋賀県知事選の出口調査によると、有権者が最も重視した政策は「景気・雇用」(28.4%)だった。それにもかかわらず、与党候補の支持が広がらなかった背景には「地方ではアベノミクスの効果が実感できていない」(自民党幹部)との現状がある。一方で、支持政党なしと答えた無党派層の63.9%が三日月氏に投票した。

集団的自衛権問題は、公明党との選挙協力にも影を落とした。相手候補の猛追に焦りを深めた首相官邸側からの要請で、公明党は終盤戦で近隣府県の組織も広く動員した。だが同党幹部は「閣議決定から2週間で支持者らに集団的自衛権問題への理解を浸透させるのは無理があった」と、一部の支持者票を固めきれなかったことを明かした。

政府は世論も踏まえ、閣議決定を受けた安全保障関連法案を秋の臨時国会でなく来年の通常国会に提出する方向だ。14日の政府・与党連絡会議で、自公幹部は今後の地方選に向けて「地方活性化、人口減少問題、女性問題に内閣として取り組むというメッセージを強く打ち出す」と確認した。

自民党が築いてきた地方基盤の弱体化も改めて課題として浮上した。民主党に政権を奪われた2009年の衆院選で、滋賀県4選挙区の自民党議席はゼロになった。政権復帰した12年衆院選ではすべての議席を取り戻したが、4人中3人が新人で県内の企業、団体との結びつきはまだ弱い。

今回の選挙は、与党推薦候補の知名度の低さに加え、党本部と県連、県選出の国会議員と県議のそれぞれ連携不足を隠れた敗因の一つに挙げる向きもある。自民党執行部は選挙戦略の見直しを迫られている。

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