2019年6月27日(木)

「地方企業は求人で不利」のウソ 覆る採用の常識

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2014/7/21 7:00
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採用の常識が変わろうとしている。「地方企業は求人で不利」「転職は35歳が限界」「学生は大企業志向」、この3つの定説を覆す動きが広がってきた。地方の活性化、雇用の流動化は日本経済の成長にも欠かせない。初回は地方で採用を増やす企業の動きを追った。常識にとらわれなければ新たな日本の姿が見えてくる。

■「博多に来んしゃい」市長が旗振り

「福岡は住みやすいし、アジアにも近い。本社を移転してよかった」。3月末、東京・千代田区のオフィスビルで福岡市が初めて開いたU・Iターンイベント「ぼくらの福岡移住計画」。医薬品のインターネット通販で、4月に東京から福岡に本社を移転したケンコーコムの後藤玄利社長は約100人の参加者に語りかけた。IT技術者やクリエーター、約半数が九州以外の出身者だった。

「博多に来んしゃい」。福岡市では高島宗一郎市長がIT関連企業が集まる米シアトルなどを目指す「クリエイティブシティ」を掲げ、誘致を進める。市中心部に近い福岡空港から中国・上海まで90分というアジアへの地の利の良さ、物価の低さなど暮らしやすさも人材をひき付ける。

福岡は英情報誌「モノクル」の住みやすい都市ランキングで世界10位。日本では東京、京都に次ぐ3番目。13年度にはIT中心に53社が福岡への進出を決めた。東京にない魅力が地元に帰るUターン就職、出身地に関係なく地方に職を求めるIターン就職を増やす。

■LINEはJR博多駅前に拠点

代表例がLINEだ。JR博多駅前にビルを建設し、2016年までに企画や開発など新たに200人以上を採用する。IT技術者は1つのプロジェクトが終わると転職する人が多い。画像シェアサービスのヌーラボ(福岡市)の橋本正徳・最高経営責任者(CEO)は「東京から来た優秀な人材がやがて地元企業で活躍する」と期待する。福岡市は優秀な人材と企業が集まる好循環に入り、IT都市として存在感を示しつつある。

「まだ東京で消耗してるの?」。6月、人気ブロガーのイケダハヤト氏(28)は自身のブログで東京から高知市への移住を発表。東京出身のイケダ氏が移住を考えたきっかけは待機児童が多く子供が保育園に入れなかったことだが、自身の成長のためでもある。「クリエーターは外部からの刺激でアウトプットが変わる。自分の身をもって証明したい」という。

高知に移住して約1カ月。イケダ氏は「食べ物もおいしく自然も身近。生活環境は抜群にいい」と話す。子供の面倒を見てもらえる近所の知り合いもできた。ブロガーのほか、東京での人脈を生かした起業支援も始める。高知県では高知大学などでITを学んだ若者が、就職先を求めて県外に流出してしまう。イケダ氏は「永住し、高知を日本のシリコンバレーにしたい」と意気込む。

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