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米マップアール・テクノロジーズCEO「データ活用 俊敏さ向上を」

2014/6/23 7:00
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――企業のビッグデータ活用の動向をどうみていますか。

「世界のいたるところで、ビッグデータによる恩恵を受ける企業が増えていると感じている。かつては高価な情報システムを導入できる一部の企業や組織に偏っていたが、今では国や企業を問わずビッグデータ活用が広がっている」

ジョン・シュローダーCEO

ジョン・シュローダーCEO

「ある小売業は店舗内に無線LANを敷設し、客の携帯電話の移動履歴から興味や関心を推測。場所に応じた広告を配信して店舗での購買を促し、ネット通販に対抗している。インドでは12億人の人口の3分の1に当たる4億3000万人分の本人認証データベースを構築し、医療費の適正な徴収に役立てるプロジェクトもある」

■分散処理を安く

――そうした企業が抱えるビッグデータ活用の課題は何でしょうか。

「分析や活用に使うシステムに費やす費用と効果、そして運用管理性のバランスを総合的に高めることだ。大量のデータを実用的な時間で分析し、結果から有益な情報を導き出す処理は、大量のサーバーにデータを振り分け、同時並行的に実行するのが一般的だ。サーバーの台数はときに1000~2000台にもなる」

「ところがこれだけ数が多いと、いつもどれかのサーバーが故障する。故障しにくい機器を使えばシステム全体が高くつくし、故障のたびに機器を修理するのは非現実的だ」

――マップアールは「ハドゥープ」に基づく大規模分散処理ソフトを提供していますね。

「ハドゥープは設計図が無償公開されている分散処理ソフト。個々のサーバーは価格が安く大量生産できるもので十分に賄える。1テラ(テラは1兆)バイト当たりの処理費用は、大型サーバーを使う伝統的なデータ処理ソフトの1万分の1程度だ」

「企業のシステム担当者が容易に利用できるよう、運用管理機能を独自開発した。データのバックアップや災害に備えて離れた地域でデータを複製する機能、データ分析処理を効率的に配置・実行する機能などだ」

■日本で20社採用

――日本にも導入企業が多いと聞いています。

「リクルートグループをはじめ、約20社が採用している。業種だと、インターネットサービスやゲームにはじまり、製造業など伝統的な大企業にも採用され始めた」

――そうしたソフトを開発するに至った背景を聞かせてください。

「私は25年来、データベース関連事業に携わってきた。マップアールは私が起業した4つめの会社だ。2008年、当時の主要顧客に、自社にとって5年後の経営課題は何かをリサーチしてまわった。すると爆発的に増加するデータを処理する能力と、大量のデータを効率的かつ容易に運用する仕組みが将来不足することがわかった。私の顧客が先見の明にあふれていたことが、現在の起業につながった」

「米IDCによれば、地球上で1年間に生成されるデータ量は、20年には現在の10倍に当たる44ゼタ(ゼタは1兆の10億倍)バイトにまで増えるという。文字や数字といった構造化データに加え、写真や動画などの非構造化データが急速に増えている。爆発的に増えるデータを前に、全ての企業はデータ活用のアジリティー(俊敏さ)を高める必要がある」(聞き手は玉置亮太)=おわり

John Schroeder 2009年の米マップアール・テクノロジーズ創設より最高経営責任者(CEO)を務める。同社創設以前は、カリサ・テクノロジーズ(現マイクロソフト)やレインフィニティ(現EMC)のCEO、コンピュウェアのゼネラルマネージャなど、データ、ストレージ(大型記憶装置)、ビジネス・インテリジェンス関連の企業向けソフトウェアの上級職を歴任。
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