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中部5県の輸出額、17カ月ぶり減 自動車の輸出低調

名古屋税関が19日発表した管内5県(愛知、岐阜、三重、静岡、長野)の5月の貿易概況(速報)では輸出額が1兆3249億円と前年同月比5.8%減り、17カ月ぶりにマイナスとなった。自動車輸出がタイや米国向けを中心に落ち込んだ。国内の消費増税の反動減からは早めに回復しそうだが、輸出の不振が長引けば、中部経済に減速リスクも生じかねない。

輸出から輸入を差し引いた貿易収支の黒字は4276億円と20.4%減った。マイナスは2カ月ぶり。輸出が減った一方で、原油などの輸入が8973億円と3.1%増えたのが響いた。

輸出の落ち込みは自動車の不調が要因だ。自動車の輸出額は3588億円と9.8%減り、14カ月ぶりに減少に転じた。足元では政情不安が続くタイの内需が低迷。トヨタ自動車でのタイ向け輸出も4月に8割減と落ち込んでいる。

自動車業界にとってタイは新興国の重要拠点で、内需の低迷は自動車部品各社の動向にも影響する。タイ向けにはエンジンやその他の部品の輸出も振るわず、自動車部品全体の輸出は1604億円と7.7%減った。マイナスは2カ月ぶり。ある部品会社社長は「タイで車両販売の回復が見えない」と警戒する。

米国向けの自動車輸出も14カ月ぶりにマイナスになった。現地への生産移転が影響しているほか、高騰していたガソリン価格が安定して、「ハイブリッド車(HV)の輸出が低調に推移している」(トヨタ)影響もあるようだ。

一方、輸出を増やす業界もある。中部に集積する航空機業界では、米ボーイングの最新鋭旅客機「787」の増産に対応して部品輸出が伸びており、航空機類は319億円と33.3%増。工作機械など金属加工機械も、製造業の設備投資機運が高まる欧米に加え、中国向けの需要が回復しており、輸出額が425億円と17.1%伸びた。

ただ自動車輸出の不振で中部経済への影響を懸念する声もある。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの内田俊宏シニアエコノミストは「新興国経済に不透明感があるほか、欧州景気はデフレ懸念が浮上している。米国への輸出も伸び悩む」とみて、中長期に自動車輸出頼みの景気拡大は難しいと指摘。「航空機や超電導リニアなど輸出産業の新たな柱の育成のほか、『昇龍道プロジェクト』などで外国人の観光客誘致を進める必要がある」とみている。

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