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日本マイクロソフト・樋口社長「ビッグデータを『民主化』」

2014/6/20 7:00
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――米本社の最高経営責任者(CEO)がサティア・ナデラ氏に代わって4カ月がたちました。

樋口泰行社長

「サティアがCEOになってがらっと変わった。かつて勝者だった領域を守るのではなく、デバイス(端末)とクラウドで勝者になるために会社全体が謙虚に、挑戦者というトーンになっている。これからが楽しみだ」

「製品面でも9型未満のタブレット(多機能携帯端末)向けに『ウィンドウズ』を無償化したり、米アップルの『iPad(アイパッド)』向けの『オフィス』を出したり、現実の競争環境を踏まえた施策を次々と打ち出している。(クラウドサービスの)『アジュール』の名称からウィンドウズを外したり、アジュール上で競合の米オラクルや独SAPのソフトを使えるようにしたりしたのもそうだ」

■アジュール好調

――ICT(情報通信技術)の競争環境はどう変わっていますか。

「ウィンドウズやオフィスを売るのをなりわいにしてきたが、パソコンが安価なタブレットに置き換えられてきた。消費者がこれまで使ってきたものにお金を払う価値があるのか、疑問を抱いている。幸いマイクロソフトの財務状況に問題はないが、その間に真のクラウドとデバイスの会社に変わらないといけない」

――4月にフィンランドのノキアの携帯電話部門の買収を完了しました。

「ノキアはウィンドウズフォンのほとんどのシェアを持つ会社だ。傘下にいれることでよりスピード感をもって進めることができる。自社デバイスとして主体的に関わることで、アプリ(応用ソフト)やサービスを含めたエコシステムを早く充実させないといけない」

――2月に日本にデータセンターを開いた「マイクロソフト・アジュール」は好調のようですね。

「期待を上回る状況だ。自治体や金融機関、病院などの反応は日本にデータセンターを開く前とはかなり異なる。香港やシンガポールのデータセンターからの移行も多く、すでにパンクしそうで設備を増強している」

――ビッグデータの領域ではどんな取り組みをしていますか。

「『ビッグデータの民主化』というキーワードのもとに進めている。目指しているのはビッグデータを誰でも使えるようにすることだ。『パワーBI』という『エクセル』の付加機能を提供している。売上高や地域、カテゴリーなどをエクセル上で選べば自動的に地図にマッピングし相関関係が一目でわかる」

「膨大なデータはクラウド上で処理し、操作は慣れたエクセルでできるので、現場で仕事をしている人が仮説を立てて検証するのに適している。専門家に発注するよりも業務の実態をわかっている人が使うので効果がでやすい」

■働き方変革も

――働き方の変革にも積極的に取り組んでいますね。

「品川の日本マイクロソフト本社で実践しているのは、相手が在席しているのがわかる『リンク』というビデオチャットのシステムと顧客管理システムを連携させている。例えばA社の項目をみれば誰がA社を担当しているのか一目でわかり、すぐにチャットを始められるし、メールや商談履歴もすぐに参照できる。業務効率は格段に向上し、企業や政府関係の視察も非常に多く、今後期待できる」(聞き手は深尾幸生)

ひぐち・やすゆき 1980年大阪大工学部卒、松下電器産業(現パナソニック)入社。91年米ハーバード大経営大学院卒。97年コンパックコンピュータ入社、2002年日本ヒューレット・パッカード(HP)執行役員。03年社長兼最高執行責任者(COO)。05年ダイエー社長兼COO。07年マイクロソフト日本法人代表執行役兼COO。08年4月より現職。兵庫県生まれ。
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