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セクハラ、男性間にも多く 拒絶の意思表示が重要

2014/6/15 7:00
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 違法なだけでなく、士気を下げてしまう、性的嫌がらせ「セクハラ」と職場のいじめ「パワハラ」。政府が女性の活用を推進する中で、セクハラ防止はこれまで以上に企業の重要な課題として浮上している。近年増えているケースと対処方法について、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の今津幸子弁護士に聞いた。(聞き手は瀬川奈都子)

今津幸子(いまづ・ゆきこ)氏 1991年慶大法卒、96年アンダーソン・毛利(現アンダーソン・毛利・友常)法律事務所入所。2005年同事務所パートナー。07~10年慶大法科大学院准教授。国内外の企業に人事・労務を助言。セクハラに関する企業研修も多く手掛ける。

今津幸子(いまづ・ゆきこ)氏 1991年慶大法卒、96年アンダーソン・毛利(現アンダーソン・毛利・友常)法律事務所入所。2005年同事務所パートナー。07~10年慶大法科大学院准教授。国内外の企業に人事・労務を助言。セクハラに関する企業研修も多く手掛ける。

 ――どのような行為がセクハラにあたるのか、意外と知らないビジネスパーソンが多いようです。

 「セクハラは職場における性的な言動による嫌がらせを指す。大きく『対価型』と『環境型』に分けられ、対価型は性的な言動を拒否したために、解雇や降格、減給、取引停止などの不利益を与える行為だ。環境型は性的な言動によって職場環境を著しく悪化させることをいう」

 ――嫌がらせが目的でなく、好意から出た言動もセクハラになりますか。

 「該当するかどうかの判断基準は基本的に、相手の意に反しているかどうかにある。男性が職場の女性を1対1での食事に誘うこと自体は違法行為にはならない。だが、断っている、もしくは迷惑そうなそぶりをしているにもかかわらず、もう一押しすることはセクハラと捉えられる可能性が高くなる。あからさまに拒絶していなくても、上下関係やその場の雰囲気などから拒絶しづらいだけかもしれないので、相手の反応を自分にとって都合良く解釈しないことだ」

 ――法的にはどのような処分を受けるのでしょうか。

 「厚生労働省が所管する男女雇用機会均等法では、事業主に対し、セクハラの防止措置をとる義務を課している。企業がこの義務に違反し、厚労省の是正勧告にも応じない場合は、行政処分として企業名が公表される」

 「均等法とは別に、被害者が民法上の不法行為等を理由に加害者と企業に損害賠償を請求することも可能だ。加害者は自分で生き方を決められる『性的決定権』に関する人格権の侵害を、企業は使用者責任や職場環境配慮義務違反などを根拠に法的責任を問われる」

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 ――7月から同性間の行為もセクハラに該当するという厚労省の指針が施行されます。

 「もともと民法上の不法行為は異性間か同性間かで区別はしていない。ただ、指針が改正されたことで、使用者側はよりいっそう注意を払う必要が出てきた。特に根が深いのは男性同士のセクハラだ。男性が加害者で女性が被害者のケースでは、ひと昔前に比べれば被害者側が声をあげやすくなり、周囲の理解も浸透してきた。同性同士、特に男性同士の場合、潜在的に該当するケースは多いと思われるのに、被害者は声を出せないでいることが多い」

 「例えば、上司や先輩が部下や後輩を風俗店に無理やり連れて行くのは論外だ。下ネタを振ったり身体に触れたりするなど、異性間でセクハラに該当する行為は、たとえ同性同士でもセクハラになる。宴席で衣服を脱ぐことを強要する行為も、男性間で特徴的な行為なので気をつけたい」

 ――被害者側に過失があった際には、損害賠償が減額されるといったことが起こりうるのでしょうか。

 「他の民法上の不法行為同様、『過失相殺』と呼ばれる、加害者と被害者との公平を図るための規定は適用される。忘年会で男性職員が女性職員に抱きついた姿勢で撮影を強要するなどしたとして裁判になった2007年の広島地裁のケースでは、損害賠償額は2割減額された。被害者の女性が人生経験を経た中高年だったにもかかわらず、たしなめもせずに一緒に騒いで、被告のセクハラ行為をあおる結果となったことを、原告の過失と認定した。被害者側も言葉ではっきり言えない場合でも表情や態度に出すなど、拒絶の意思を示すことが大事だ」

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