福井・越前の武生信金、信金中金に資本支援要請へ 30億円規模

2014/5/29付
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武生信用金庫(福井県越前市)は28日、上部機関の信金中央金庫に資本支援を要請する方向で検討すると発表した。2014年3月期決算が3期連続の赤字となるため。支援額は30億円前後に上る見込み。信金中金や県内信金から人材の派遣も受ける。健全性の指標である自己資本比率は健全な水準だが、抜本的な経営改善が必要と判断した。

武生信金の発表を受け、信金中金は「全面的に支援する」と表明。年度内に「信用金庫経営力強化制度」に基づく資本支援を実施する方向だ。

武生信金の14年3月期決算は31億円の最終赤字となったもよう。自己資本比率は最低基準の4%を上回る6%程度を維持したようだが、昨年9月末時点の12%台から急落することを受け、予防的に資本支援を申請することにした。

経営体制の刷新にも取り組む。信金中金から代表理事を招くほか、職員1人の派遣を受ける予定だ。福井信用金庫(福井市)も代表理事を送り込む。武生信金の青山照彦理事長は留任し、代表権を持つ3人で経営改革にあたる。福井信金は4人の職員も派遣。そのほか、敦賀信用金庫(敦賀市)、小浜信用金庫(小浜市)、越前信用金庫(大野市)もそれぞれ職員1人を派遣する。

武生信金は「過去の負の遺産を一掃し、抜本的な経営改善を図る」とするコメントを発表。同信金については、前理事長らによる一つの企業に対する不当に低利での巨額貸し付けや迂回融資が指摘されている。不正の有無を調べようと理事長のメールを盗み見た職員が解雇され、今年1月には地位確認などを求めて提訴している。

武生信金は28日、日本経済新聞の取材に対し「不適切な融資があったことは間違いない」としており、赤字体質の定着もこの融資を含めた大口不良債権の処理が遅れたことが背景にあるとみられる。武生信金の営業エリアの中心である越前市は中小の製造業が集積しており、積極的に成長資金を供給するには、負の遺産を一掃し、抜本的な財務改善が必要と判断したもようだ。

北陸財務局は武生信金の支援要請について「抜本的な改善に向けた思い切った取り組みだ」と評価。「地元中小企業などに対して積極的に資金供給できる体制を整え、地域経済により貢献することを期待する」とコメントしている。

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