岩手・久慈の宮城建設、災害時に電力供給 太陽光などで

2014/5/29付
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宮城建設(岩手県久慈市)は大規模災害時の事業継続や、避難住民の受け入れに対応した複合電源システムを導入した。太陽光発電パネルと蓄電池、電気自動車(EV)を組み合わせ、移動電源としても使える新しいシステムで、総投資額は約3億2千万円。東日本大震災の被災地企業として、再生可能エネルギーを防災にも活用する。

同社は久慈市内の事業所と関連工場で、それぞれ出力28.25キロワット、44.75キロワットの太陽光発電施設を持つ。太陽光でつくり出した電力は、自社で使用するほか、新電力(特定規模電気事業者)のエヌパワー(愛知県清須市)に売電している。

このほど新たに本社屋上に出力10.5キロワットの太陽光パネルを設置。同時に9.6キロワット時の蓄電池と、三菱自動車のEV「アイ・ミーブ」「アウトランダー」を1台ずつ導入し、新たな電源システムを立ち上げた。最近実用化された、EVから建物に電力供給する技術を利用し、本社以外の建物にも電力を供給できる。

同社は大規模災害時には本社を周辺住民の避難施設とする方針で、必要に応じてEVを使って他の避難所にも電力を供給する。蓄電池とEVを合わせ、最大約38キロワット時の電力を蓄えられる。これは一般家庭3~4日分の電力に相当するという。7月以降には盛岡市で出力220キロワット、来年夏には久慈市で497キロワットの太陽光発電を開始する。

太陽光と蓄電池を合わせたシステムは普及しつつあるが、同社のシステム導入をアドバイスした日本再生可能エネルギー総合研究所(横浜市)の北村和也代表によると「EVも組み込んだシステムは先進的。自治体の実証実験例はあるが、民間が実用化に乗り出すのは大きな一歩」だという。

同社は数十キロワットの低圧設備と数百キロワットの高圧設備の双方を運用。海岸部の太陽光発電設備には独ソーラーワールド社の塩害に対応したパネルを採用するなど、立地ごとの発電量や発電効率、施設整備費などのデータを集めている。

こうしたデータを事業所や住宅で太陽光システムの導入を検討している顧客への営業活動にも活用。最適なプランを提案していく。

また、エヌパワーは宮城建設から買い取った電力を、久慈市など地元自治体に通常の電力料金より安く供給する見通し。実現すれば「エネルギーの地産地消につなげられる」(宮城建設技術部の小笠原千尋さん)。

災害時の複合電源整備と再生可能エネルギー展開を同時に進めることで「新たな事業フィールドを切り開く」(竹田和正社長)考えだ。

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