2019年8月23日(金)

東証の取引時間延長、「夜間」「夕方」軸に議論本格化

2014/5/16付
保存
共有
印刷
その他

東京証券取引所が検討中の取引時間延長を巡る議論が本格化している。東証は「夜間市場」と「夕方市場」の2案を提示。証券会社を中心に市場参加者が是非を議論している。東証は今夏にも結論を出したい考えだが、証券界の意見は割れたまま。日本株市場の活性化に向けた時間延長論議の決着はまだ見えない。

「良き市場をつくるための腹を割った議論ができた。だが各委員の意見はバラバラだ」。東証が時間延長を検討する前段階として、2月に証券会社や機関投資家、学識経験者ら関係者でつくった研究会。16日に開いた4回目の会合を終え、川村雄介座長(大和総研副理事長)はこう振り返った。

2000年、10年に続く3度目として東証がめざす取引時間延長。研究会では、夜間か夕方かという方法を巡って議論が百出した。

ネット証券が支持するのは午後9~11時の時間帯を中心とする夜間市場の新設だ。個人投資家の株売買の8割超を担うネット証券は、会社員など昼間に株取引をできない個人を取り込めるとして、東証に夜間取引の開始を強く求めている。

ただ、個人のニーズはあっても、国内外の機関投資家の利用は限られるとの意見が業界には多い。参加者が限られれば、値動きが激しくなりすぎる懸念がある。

このため、東証が第2案として示しているのが夕方に市場を開く方式。午後3時にいったん終値を確定し、別市場として午後3時30分~同5時に取引できるようにする。

夕方市場は「アジアにに拠点を置く海外投資家の参加が見込める」(野村証券)。半面、会社員らの帰宅後の取引ニーズには応えられない。ある証券会社からは、別市場方式ではなく、昼間の取引を午後4時まで単純に延ばす案も出ている。

議論の発端は世界のリスクマネーを取り込む市場間競争の激化だ。東証の現在の取引時間は5時間とシンガポール(8時間)など他の主要アジア市場に比べ短く、競争力を高めるには時間延長の必要性は否定できない。

業界では対面販売の証券会社を中心に、コスト増に見合う売買量の増加が見込めないという反対論も根強い。大和証券グループ本社の日比野隆司社長は14日、記者団に「夜間は投資家のニーズが極めて限られており反対する」と述べた。

7月まであと3回程度の会合を開いたうえで研究会は報告書をまとめ、東証は早ければ今夏にも最終判断を下す見通しだ。結論は見えないが、過去の議論では証券会社など供給者側の論理が前面に出がちだった。「3度目の正直」の今回は投資家や上場企業など、市場の利用者の利便性を高めつつ市場の魅力を高める視点が欠かせない。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。