鈍牛返上?ドコモ 「バックエンド」に500億円投資

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2014/5/29 7:00
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NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIの大手3社がすべて米アップルのiPhone(アイフォーン)を扱い「端末」は競争軸ではなくなった。「通信エリアやスピードで差をつける」と各社が競ったインフラ競争もほぼ平準化した。次の競争軸はサービスの多様化に移る。その戦いを下支えするのが「バックエンド」(顧客管理システム)だ。

新料金プランを発表するNTTドコモの加藤薫社長(4月10日、東京・大手町)

新料金プランを発表するNTTドコモの加藤薫社長(4月10日、東京・大手町)

■当初はためらい

「無事に動いているのだから、今のままでいいだろう」――。2004年に就任したNTTドコモの中村維夫元社長は、顧客管理システム「アラジン」刷新の必要性を訴える技術陣に、最初はこう答えたという。

大規模システムの全面刷新には膨大な費用と年月がかかる。ドコモはアラジン刷新に投じた費用を公表していないが、推定で400億~500億円を投じたもよう。期間も3年がかりだった。

経営陣がためらうのも無理からぬところ。だが、携帯電話会社のシステム事情に詳しいIT企業の幹部はこう指摘する。「新たな料金プランの投入などで顧客サービスを強化するには料金管理や契約管理などの基幹システムを全面的に見直さなければならないと、各社はずっと前から分かっていたはず。だが、なかなか踏み切れなかった」。

理由は内部にあった。一口に「ドコモのネットワーク」というが、携帯電話の基地局や中継網のような通信スピードや人口カバーに関わる「通信設備」と、料金や契約、利用状況を管理する「バックエンド」に分かれる。

ドコモなど携帯電話各社が先行して重視してきたのが前者の「通信設備」。2000年初頭にインフラ整備が始まった3G(第3世代携帯)、その10年後に3Gを塗り替え始めたLTE。通信設備の増強が後手に回ると、すぐさまシステム障害に見舞われる。

「消費者の不満がまっ先に向かうのは通信スピードやカバー範囲」(同幹部)だ。限られた設備投資は、通信設備の増強に充てられ、「バックエンド」は後回しにされた。

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