新潟県と食品メーカー、米粉普及で連携
新潟県と食品メーカーが米粉の普及促進で連携する。13日には米粉の競争力強化を目指す検討会を初めて開催。年内をめどに流通コスト削減などに必要な具体策をまとめる。新潟製粉(胎内市)が大手小売業と協力して月内に米ぬかを活用したパンの発売を目指すなど、米粉の用途開発も活発になってきた。
米粉は主食用米の需要が減退するなか、政府がコメ農家に補助金を出して米粉用品種への転作を誘導してきた。農林水産省によると、2013年産の米粉用米の計画生産量は国内で2万1071トン。新潟県の生産量は5041トンで、全都道府県のなかで最も多いが、11年産と比べれば3分の1に落ち込んでいる。
需要が伸びない一因は生産コストの高さだ。60キログラムあたりの価格を比較すると、米粉用米は約2000円と小麦の約3000円より安い。だが、粉状にすると小麦粉は6000円なのに対して、米粉は7200円以上と割高だ。
割高な一因とみられるのが、生産工程の多さや流通量の少なさ。半面、小麦粉は消費量が多く大量生産できる。
米粉の有効な使い方が菓子メーカーなどに浸透していない点も普及しない要因だ。
同日開催した検討会では米粉の生産・流通コストを抑える方針で一致。年内をめどに、流通経路の見直しなどコスト低減策や需要喚起に向けた商品づくりについてまとめる。米粉の製粉技術や生産動向、海外における使用事例も確認した。
同検討会の座長には新潟大学大学院の大坪研一教授が就任。亀田製菓やブルボン、新潟製粉など米粉を扱う10社のほか、県農業総合研究所食品研究センターといった関係団体も集まった。
新潟県は小麦粉の消費量の10%以上を米粉に置き換える「R10プロジェクト」を進めている。日本は食糧用小麦の約9割を輸入に頼る。小麦粉の代替品でもある米粉は食料自給率の向上にも役立つと期待されてきた。