顧客とつながる 恒常的な対話でブランド構築
石黒不二代・ネットイヤーグループ社長

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2014/4/12 7:00
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企業が顧客とともに市場をつくる「共創マーケティング」が、盛り上がりをみせている。単に共同で商品開発をするという意味であれば、今までもあった。だが今広がっている共創マーケティングは、企業と顧客が「中長期的な関係」の中で「対等に」「常に」話し合いの場を設け、企業や製品の「支持者とともに」「イノベーション(革新)」を促進する活動だ。

1994年にスタンフォード大学経営大学院を修了、シリコンバレーでコンサルティング会社を起業。2000年から現職。

1994年にスタンフォード大学経営大学院を修了、シリコンバレーでコンサルティング会社を起業。2000年から現職。

アタックの「スプーン一杯で驚きの白さに」のテレビCMを覚えている方も多いだろう。かつては洗剤は大きく重く、店頭で購入して持ち帰るのに苦労したものだった。アタックを開発した花王は「洗剤を小さくする」という技術革新で差別化を実現した。だが、その後はすべての洗剤が小さくなり、技術による差異化が困難となった。

テレビCMで歯磨き粉メーカーは技術ではない様々な角度から利点を打ち出そうとしている。虫歯予防、歯周病予防、ホワイトニングなど、市場は細かく切り刻まれ、もはやどのメーカーも手を付けていないアピールポイントは見あたらない。

さあ、ここからどうするか? 通常であれば、消費者が望んでいる商品を知るためには、市場調査の出番となるが、今の時代に膨大なマーケティング予算をつかって開発しても、1年以内に姿を消す短命の商品が増えている。

マーケティング分野のトップランナー企業で、年間約400億円を投下してマーケティング調査を実施する米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のジョーン・ルイス氏は「2020年までに市場調査の重要性は劇的に低下する」と発言し、調査業界に「P&Gショック」を巻き起こした。

また江崎グリコは、消費者を集めて特定の商品について意見を聞く「フォーカスグループインタビュー」を、原則として実施しないとの方針を打ち出している。初対面の人間が1カ所に集まり2時間ディスカッションをしても、新しい発見が得られづらくなってきたからだ。

共創マーケティングが必要になった理由はここにある。企業が供給者の論理で場当たり的な調査を実施するのではなく、恒常的な対話、消費者とのフラットな関係を実現する共創コミュニティーという場作りをすることが重要になっている。

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