何度だって挑める 「先輩」が投資、好循環生む
スタートアップスinUSA(3)

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2014/4/3 3:30
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 日本では「転石苔を生ぜず」というがスタートアップの世界は逆だ。なんども起業して、そこで得たカネを元手に次の事業を立ち上げる人々をシリアルアントレプレナー(連続起業家)と呼ぶ。当然失敗もあるが、失敗の中から次のトライが生まれる。こうしたエコシステム(生態系)はどう成り立っているのか。

トーマス・エジソンの研究所があったことで知られるカリフォルニア州メンロパーク。中心街近くに、ビッグデータ解析ソフトを手掛けるスタートアップ企業、ヌメンタの本社がある。

ヌメンタ副社長のスブタイ・アーマド氏

ヌメンタ副社長のスブタイ・アーマド氏

■3社目の起業も当たり前

「この会社は、僕にとって3社目のスタートアップ」と語るのは創業期メンバーで副社長のスブタイ・アーマド(48)だ。先月、ビッグデータ解析用ソフトウエア「グロック」の提供を開始した。

同社を設立したのは、ジェフ・ホーキンス(56)。かつてPDA(携帯型情報端末)と言う言葉を生み出した「パーム」の創業者だ。ホーキンスはパームの成功後、「脳に近いコンピューター」の実現をめざし9年前にヌメンタを設立した。

アーマドの最初の起業は26歳の時。カメラで手や体の動きを認識するモーション入力技術を提供していたが、花開かなかった。めげずに動画データを加工するサービスの「イエスビデオ」を創業、成功させる。それでも満足せずホーキンスに合流した。

タブレットに接続して音を奏でる鍵盤。ベンチャー企業のミセルが開発

タブレットに接続して音を奏でる鍵盤。ベンチャー企業のミセルが開発

9年間の研究開発の間、製品による売り上げはほぼゼロ。それでも、「ジェフや経営陣の先行投資があったから、安心して研究開発に打ち込めた」(アーマド)という。成功した創業者の資金が、有能な技術者の転職へのためらいを解消し、長い研究開発を支えた。

米国で3社目のスタートアップに挑戦する日本人がいる。カリフォルニア州に拠点を置くミセルの最高経営責任者(CEO)吉川欣也(46)だ。ミセルは、アップルのiPadに接続して楽しむ「タブレット楽器」の開発を進める。普段はタブレットのケースと同様の厚みだが、ボタン一つで鍵盤が飛び出し、ピアノのように演奏ができる。

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