言語・報酬・登用…ソニー、人材つなぎとめに腐心

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2014/4/6 7:00
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 ソニーがスマートフォン(スマホ)事業を拡大している。
起点となったのは、スウェーデンのエリクソンとの折半出資会社を全額出資に切り替えたことだ。
資本面での大きな決断をしたが、デザイン力など培ったノウハウを提携解消後も維持するのが課題となった。
有力人材のつなぎとめがカギを握る――。
そう判断し、「言語」「登用」などに細心の注意を払った。=敬称略

■ソニエリ時代の良さをどう引き継ぐか

「アール(曲線)は緩すぎないか」「エッジを効かせるべきだ」。午後5時。ソニーモバイルコミュニケーションズの東京本社(港区)で週1回、「シンギ」が始まる。東京、スウェーデン・ルンド、中国・北京のデザイナーら計約10人がテレビ会議で参加し、デザインについて互いに意見を戦わせる。言語は英語だ。

シンギは「ワイガヤ会議」で語源は審議。ソニーモバイルの前身でエリクソンとの合弁会社ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが2001年に発足した際、両社のデザイン文化を融合する試みとして始まった。

ソニー伝統の細部までこだわった機能美。家具大手イケアやファッションブランド、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)と同様、エリクソンが持つスウェーデン流色彩感覚。モバイル製品の世界展開に向けて、二つを融合し視覚的な分かりやすさを実現した。シンプルなデザインは「ソニエリ」の武器となっていた。

ただ、折半出資であるため、大きな経営判断にはソニー、エリクソン両方の合意が必要で時間がかかる。スマホビジネスを成長の柱と位置づけるソニーはエリクソン側の保有株を1000億円以上投じて買い取った。新会社によって意思決定の迅速化、技術力強化は見込めた。ただ、ソニエリ時代の良さ、デザイン力などをいかに引き継ぐかが課題だった。

ポイントは、やはり、人材・組織。ソニーモバイルでデザインや商品企画部門を統括する部門長、田嶋知一はこう説明する。「国籍やもとの居住地にかかわらず、新会社ではベストな人材に適切なポストで活躍してもらうことを原則とした」。

M&A(合併・買収)では、人材をつなぎとめておくことが要諦となる。変化を嫌い、一般に「有力な人材ほど辞めていく」との見方もあるほどだ。ソニーが取り組んだのが、まず言語だ。すべての資料を英語とし、1人でも外国人がいる場合は英語で会議を開く。「日本の企業だから」といった、ありがちなしがらみとは決別した。

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