パラジウム、一時12年11カ月ぶり高値 ロシアの供給に懸念
排ガス触媒原料となる貴金属のパラジウムが一段と値上がりした。東京商品取引所で24日に一時、1グラム2627円まで上昇し12年11カ月ぶりの高値をつけた。主要生産国のロシアなどで供給懸念が根強い。南アフリカ共和国で新たにパラジウムの上場投資信託(ETF)の取引が始まることが明らかになったことも影響している。
世界最大の生産国、ロシアを巡ってはウクライナ情勢の混迷が続きパラジウム生産への影響が指摘されている。南アでも鉱山ストライキの長期化が解消されるメドが立たない。両国で世界生産の8割近くを占め、供給懸念は拭えない。
先週後半には大手金融機関がヨハネスブルク証券取引所でパラジウムのETFを上場する方針を明らかにした。現物需給に影響するとの観測から国際指標となるニューヨーク市場の先物価格は上昇。先週末に一時、1トロイオンス798ドルと2年7カ月ぶりの高値となった。
ただ、高値警戒感も根強く、「金には売り圧力が強くなっており、パラジウムも影響を受けて値下がりするだろう」(マーケットアナリストの豊島逸夫氏)との指摘もある。