群雄割拠チャットアプリ 巨額買収、攻防の行方

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2014/3/16 7:00
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米フェイスブックが総額190億ドル(約2兆円)、楽天が9億ドルを投じて買収する「チャット(対話)アプリ」。短文をやり取りする仕組みはインターネット黎明(れいめい)期からあったが、スマートフォン(スマホ)が主力となり、いつでもどこでも音声や動画がやりとりできるようになり、コミュニケーションの主役の1つとして台頭してきた。実力を探る。

対話アプリの力を測る最大の指標はユーザー数だ。各アプリの「登録者数」は、中国・騰訊(テンセント)の「微信(ウィーチャット)」が6億人、LINEが3億5千万人、楽天が買収したViber(バイバー)が3億人――。フェイスブックが買収した米ワッツアップ以外にも、3億人を超える人を集めるアプリが並ぶ。

■利用頻度カギ」に

ただ、各社が競うのは「登録者数」ではなく、「利用者数」「利用頻度」だ。ワッツアップを創業したヤン・コウム最高経営責任者(CEO)は昨年5月、ツイッターで「登録者数とアクティブユーザー(利用者)数を混同するのは(スポーツカーの)フェラーリ250GTOとスケートボードを比べるようなものだ」とつぶやいた。

ワッツアップの登録数は非公表。どのくらい使われているかを示す「アクティブユーザー(利用者)数」は4億5千万人だ。他アプリのアクティブユーザー数は、微信が2億7千万人、バイバーは1億人。世界ではワッツアップが大きくリードしている。

国内ではLINEの存在感が圧倒的に大きい。スマホ利用者の動向などに詳しいMMD研究所(東京・渋谷)の調査では、国内のスマホユーザーが2013年に最も利用したアプリのジャンルは「通話・チャットできるアプリ」だった。アンケート調査を手掛けるライフメディア(東京・世田谷)が昨年8月に実施したLINEについての調査では認知率が98%。利用率は10歳代女性で88%、10歳代男性で76.5%に上った。

韓国で普及が最も進んでいるのが、カカオが2010年3月に公開した「カカオトーク」だ。韓国のスマートフォン(スマホ)利用者の97%が使っており、全世界の利用者数も1億3千万人を突破している。

ワッツアップやLINEの利用率が高いのはなぜか。文字ベースの対話チャットは、1人でもつぶやける「ツイッター」や、不特定多数の利用者向けに投稿できるフェイスブックなどSNS(交流サイト)とは異なり、対話相手が確実に存在する。

「フェイスブックは親や先生とやり取りする時に使うもの。友達はあまり居ないから、普段は使わない」――。米シリコンバレーの女子中学生の一言は、対話アプリが厳しい競争にさらされている現実と、フェイスブックがワッツアップの巨額買収に踏み切った理由の一端を示している。

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