中国「領土で妥協ない」 全人代で外相、尖閣など巡りけん制

2014/3/8付
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【北京=島田学】中国の王毅外相は8日、北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に合わせて記者会見し、日中関係について「歴史と領土の問題では妥協の余地はない」と主張し、安倍晋三首相の靖国神社参拝や沖縄県の尖閣諸島を巡る問題で日本をけん制した。「日本の指導者の一連の言動が日中関係の基礎を破壊した」とも述べ、安倍政権の対応を批判した。

王氏は「現状は我々が目にしたくない状況だ。日中両国民の利益に合致しない」と指摘しつつ、日本側が改善に向けた努力をするよう求めた。李克強首相も5日の政府活動報告で歴史問題を巡る日本の指導者の言動をけん制しており、日中関係は当面、厳しい局面が続きそうだ。

駐日本大使も務めた知日派の王氏が昨年3月の就任後、全人代で記者会見するのは初めてだ。

ウクライナ情勢については「現状は非常に遺憾だ。複雑な問題ほど慎重な対応が必要だ」と述べ、関係国による政治的な対話を通じ、事態のさらなる悪化を避けるべきだと主張した。

王氏は「背景には複雑な歴史的経緯と利害の衝突がある」とも指摘。ウクライナ南部のクリミア半島で実効支配を強めるロシアへの支持については言及を避けた。欧米による対ロシア制裁の発動には反対している。

中国はウクライナのクリミア自治共和国の分離に向けた動きが、中国国内のウイグル族やチベット族による独立運動に影響を与えることを懸念している。1日にも雲南省の昆明駅でウイグル族とみられる集団が無差別殺傷事件を起こしたばかり。そのため「内政不干渉の原則を堅持し、ウクライナの独立と主権、領土保全を尊重する」と繰り返すにとどめている。

米中関係については「大国同士の衝突という歴史的な宿命を破るような関係を築く新しいアプローチを体現したい」と述べた。米国との協調関係を強め、習近平国家主席が掲げる「新しい形の大国関係」の構築を目指す考えを示した。

一方で王氏は「米中関係は非常に重要で、かつ非常に複雑だ」と指摘。良好な関係を構築していくために「双方が互いの主権と領土について尊重し、互いの核心的利益と重大な関心についても尊重していきたい」と主張した。米国が尖閣問題や南シナ海の領有権争いに介入しないようけん制したものだ。

記者会見では、習氏が全人代後の3月下旬に独仏両国など欧州を歴訪することを発表した。オランダ・ハーグで開く核安全保障サミットにも出席し、オバマ米大統領と会談するとみられる。

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