二審もクボタに賠償命令 工場周辺勤務の石綿被害で大阪高裁

2014/3/7付
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大手機械メーカー、クボタの旧神崎工場(兵庫県尼崎市)のアスベスト(石綿)被害を巡り、周辺住民2人の遺族が同社と国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(小島浩裁判長)は6日、一審・神戸地裁判決に続き、同社に住民1人について約3190万円の賠償を命じ、国への請求は棄却した。原告側は上告する方針。

原告側弁護団によると、工場周辺での石綿による健康被害で企業側の賠償責任を認める高裁判決は初めて。遅延損害金は起算日を一審の「訴状送達の翌日」から「住民の死亡日」に変更し、賠償金とは別に約1800万円の支払いを命じた。

判決は、1957年から75年までの間、クボタの旧神崎工場から「多量の石綿粉じんが飛散していた」と認定。54~75年に工場から約200メートル離れた別の会社で働いていた山内孝次郎さん(96年死亡、当時80)について「飛散した石綿粉じんに暴露して中皮腫を発症した」と判断した。

そのうえでクボタの責任を検討。山内さんの中皮腫の原因となった石綿は「改正大気汚染防止法が施行された72年以前に排出されたものには限定されない」とし、同法に基づく賠償責任があると結論づけた。

国の責任については「(住民が暴露した)75年以前に周辺住民の発症リスクが高いとの医学的知見はなかった」と指摘。国が被害防止の立法や規制をしなかったことに違法性はないと判断した。

一方、95年までの約23年間、工場から約1キロ離れた地域に住んでいた保井綾子さん(2007年死亡、当時85)については「旧神崎工場から飛散した石綿で中皮腫が発症したとはいえない」として請求を退けた。

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