IT力のものさし「ハッカソン」 価値創造力競う
栄藤稔・NTTドコモ執行役員

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2014/3/8 7:00
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「ハッカソン」という言葉をご存じだろうか。「ハック」と「マラソン」を結合した造語である。ハックとは、コンピューターを知り尽くした「ハッカー」と呼ばれる技術者がする、システム解析やプログラミング作業のことだ。そのハッカーたちが集まり、マラソンのように数時間から数日間集中してシステムを作る催しをハッカソンと呼ぶ。

1985年広島大院修了、松下電器産業(現パナソニック)入社。国際電気通信基礎技術研究所(ATR)や大阪大、NTTドコモのシリコンバレー拠点を経て現職。NTTドコモ執行役員としてR&D戦略を担当

1985年広島大院修了、松下電器産業(現パナソニック)入社。国際電気通信基礎技術研究所(ATR)や大阪大、NTTドコモのシリコンバレー拠点を経て現職。NTTドコモ執行役員としてR&D戦略を担当

最近、インターネットで検索してみると、毎週のようにどこかでハッカソンが催されている。主催者はIT(情報技術)サービス企業、投資会社、NPOなど多様。参加者も社内技術者から自営プログラマーまで多岐にわたる。

ハッカソンには必ず「お題」があり、その背後には主催者の「狙い」がある。ここではITサービス企業主催のハッカソンに絞って「狙い」がどこにあるのか見てみよう。

先週、世界最大の携帯電話見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」がスペインのバルセロナで開催され、初日の基調講演に米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が登壇した。彼はフェイスブックが注力している課題に新興国のインターネット普及があり、他のITサービス企業や通信機器・端末メーカーと協力して、新興国でいかに効率よくデータを転送するか、というお題のハッカソンを開いたと述べた。

そこでは通信速度の遅い新興国での環境が再現され、参加企業の技術者がそのような環境で彼らのサービスがどのように振る舞うかを理解する教育の場となった。フェイスブックの狙いは、新興国での自社サービスの拡大にある。ここでのハッカソンの役割は業種を超えたシナジー創出だ。

写真やメモなどを全てクラウドに保存するサービスを展開する米エバーノートも、ハッカソンやそれを拡大した開発大会を開いている。

エバーノートは、データをクラウドに格納し検索するという基盤機能を提供する。お題はその基盤機能と他社が提供する機能や端末が持つ機能を組み合わせた新たなサービスの開発。狙いは同社のサービス領域拡大だ。

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