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成長大陸アフリカに投資の波 資源から消費に

投資先としてアフリカ大陸に世界が熱い視線を注いでいる。10億超の人口を抱える大陸は経済成長が続き、市場としても注目されつつある。これまで資源開発が中心だった海外勢の投資は消費・サービスにも裾野が広がってきた。特にサハラ砂漠より南に位置する「サブサハラ」と呼ばれる地域の成長性は大きい。アフリカで多くの国が独立してから約半世紀。アジアのような投資をテコにした発展に期待が高まっている。(ロンドン=上杉素直、カイロ=押野真也)

■弾みつく都市開発 航空・ホテル相次ぎ進出

ヨハネスブルクにナイロビ、アディスアベバ、アクラ……。アフリカ主要都市の国際空港はどこも搭乗者でごった返す。ヒト・モノ・カネが集まり始め、空港や港湾、道路などインフラの対応能力は限界が近い。インフラを拡充するため、至る所で道路や建築物を新設する光景が目に付く。

世界の航空各社はアフリカ路線を積極的に新設・拡充している。アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空は8月から、アフリカ最大の人口を誇るナイジェリア線を拡充。欧州大手のエールフランス航空も、ナイジェリアとコートジボワールの輸送能力を増強した。

ヒトの往来が増えれば、主要都市のホテル需要も高まる。ヒルトンやシェラトンなど欧米系の高級ホテルは各国に相次いで進出している。ホテルのバーやレストランでは、欧米やアジアからの観光客だけでなく、地元の利用客も目に付く。消費市場の盛り上がりを映し、高級なシャンパンなどを注文する客も目立つ。

中間層の台頭に伴い、自動車も急速に普及。人気の高い日本車は、中古車の需要も大きい。すでに東アフリカ地域には、日本の中古車業者が進出した。半面、都市部では渋滞が悪化しつつあり、大気汚染の問題も浮上している。モータリゼーションの本格化をにらんだインフラ整備や環境対策が今後の課題となる。

■人口は10億人超に 高い出生率、市場拡大

国際通貨基金(IMF)の統計によると、ソマリアを除くアフリカ53カ国の2013年の国内総生産は約2兆750億ドル(約212兆円)と、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国合計額2兆4120億ドルを下回っている。

アフリカの経済規模は1995年当時の日本の総生産額とほぼ同水準。アフリカ最大の経済規模を誇る南アフリカでも、3539億ドル(約36兆円)と、ほぼ大阪府に並ぶにすぎない。中南米など、ほかの新興市場と比べても経済規模はまだ小さい。

それでも世界は人口10億人超の成長市場を無視できない。ナイジェリアの人口は1億6千万人を突破し、エジプトとエチオピアがそれぞれ1億人に達する勢い。これから少子高齢化が進むアジアなどと比べ、高い出生率を維持していることもあり、今後も市場規模が拡大していくのは確かだ。

13年のアフリカへの海外からの直接投資は約566億ドルと、12年比で14%増えた。国連貿易開発会議(UNCTAD)によれば、12年の対アフリカ投資はインドなど南アジアが93億ドル。欧州諸国(79億ドル)、米国(48億ドル)、中国(18億ドル)を上回り、インド勢の存在感が大きい。

インドは地理的に近いことから歴史的な結びつきも強い。現在は、東アフリカ地域を中心に通信や食品関連分野などへの投資を通じて地域での影響力も強まっている。

■台頭する中間層 消費財メーカーに商機

第2次大戦後、アフリカ大陸における日系企業のビジネスは、豊富な天然資源に着目した商社やエネルギー企業の進出が第1幕だった。第2幕は、欧州への輸出拠点として自動車メーカーなどが工場を稼働。最近は、消費市場としてのアフリカに着目する新たな流れが起こっている。

ある日本の有名消費財メーカーは、南アフリカの地元流通企業に頻繁に足を運んでいる。サブサハラ地域に広く出店する南アの流通業に食い込めば、一気に市場開拓できるという計算だ。

日本貿易振興機構のアンケートによると企業の8割以上が注目するのは「中間層の台頭」。先進国に続いてアジアの国々も21世紀半ばには人口が減少局面を迎えるが、アフリカは22世紀まで増加が続く見通し。

なかでも東アフリカの動きは活発だ。アフリカ各地で展開する運用会社、インベステック・アセット・マネジメントのストラテジスト、マイケル・パワー氏は東アフリカの成長力について「海を隔ててアジアや中東に面する地の利に加え、教育や技術が行き渡り、産業化が急速に進み始めた」と解説。経済の発展を示す指標として「輸出の品目構成」を重視する。

東アフリカのタンザニアやケニアは資源や食品など何十品目もの項目に分散し、ドイツなど先進国に近づいた。大陸南西部のアンゴラが、なお輸出の9割以上を原油が占めるのと対照的だ。

投資家は「東アフリカの次のステップ」として通貨統合に期待する。ケニアやタンザニアなど東アフリカ共同体(EAC)に加盟する5カ国は昨年11月、10年以内に通貨同盟を設立する協定に署名した。関税政策の共通化など経済同盟を深め、外国からの投資の呼び水になるとの見方も多い。

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