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ヒッグス発見は一里塚 日米欧で追う謎多き次の粒子
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2014/3/1 7:00
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 昨年のノーベル物理学賞を受賞したヒッグス粒子の発見。万物に質量を与えるヒッグス粒子が見つかったことで、ようやくすべての素粒子の存在が証明された。だが、あくまで「発見」されただけで、素粒子物理学の世界はまだまだ謎だらけ。日米欧の研究者が次に注目しているのはミュー粒子だ。

ヒッグス粒子とみられる新粒子発見の発表を終え、喜ぶ研究者ら(2012年7月)=共同
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ヒッグス粒子とみられる新粒子発見の発表を終え、喜ぶ研究者ら(2012年7月)=共同

■最後の発見「ヒッグス粒子」

 素粒子物理学の枠組みである「標準理論」(標準モデルともいう)が完成したのは1970年代半ば。以来、標準理論が存在を予想した17種類の素粒子(数え方によっては18種類)は実験で次々に発見されてきた。

 その中で、長年探索の手を逃れていた最後の1つがヒッグス粒子だった。だが、2012年7月、スイス・ジュネーブ郊外の欧州合同原子核研究機関(CERN)にある世界最強の大型ハドロン衝突型加速器LHCを用いた国際共同実験でついに存在が確認された。

 これによって標準理論の正しさは完全に立証された。

■ほころび多い標準理論

 だが残念ながら標準理論で、まだ森羅万象すべてを説明できるわけではない。むしろ、標準理論では説明できない謎がたくさんある。

 様々な素粒子が、なぜ測定された質量の値を持つのかはまだ説明できない。物質を構成する素粒子は、2つのクォークとニュートリノや電子など4種類で1セットになっている。だが、そのセットがなぜ3世代存在するのかも不明だ。

 また、ニュートリノは標準理論では質量ゼロとされていたが、実際には質量を持つことが東京大学の研究施設スーパーカミオカンデによって明らかになった。

 物理学と天文学で最大の謎ともいえる正体不明の暗黒エネルギーと暗黒物質の存在も標準理論では説明できない。

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