「21歳企画」で酒場に活気 アサヒビールが飲みアプリ

2014/2/2 7:00
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アサヒビールとリクルートライフスタイルがスマートフォン(スマホ)を活用して、2月から若者のビール消費拡大に向けた集客に乗り出す。21歳の男女に、ビール1杯無料の特典や交流の場を提供。外食店への送客に加え、酒文化や酒場の魅力を伝えることで需要を掘り起こす狙いだ。縮小するビール市場を活気づける一手となるか。業界の注目度も高い。

居酒屋などでアプリを起動すれば生ビールが1杯分無料になる(東京・有楽町の美味千成)

居酒屋などでアプリを起動すれば生ビールが1杯分無料になる(東京・有楽町の美味千成)

2社が2月3日から5月末まで実施するこの企画は、21歳の社会人や学生が対象の「ビアマジ!21」。東京の神田や新橋、有楽町などにある居酒屋やバーなど約120店が協力する。期間内に1万人の利用を目指す。

利用者はまず会員登録し、専用アプリ「マジ☆部」をダウンロードする。次にリストから行きたい店を選び、訪れた際にチェックインをする。本人確認が完了すると、生ビールが1人1杯無料でもらえるほか、店舗によっては割引クーポンが使えるメニューを出す。

協力店はいわゆる「サラリーマンの街」にある外食店だ。「常連客が多く年齢層も高め。一般的に若者とは縁が薄そうだが、実はそれが大きな狙い」(リクルートの青木里美氏)という。

ビール系飲料の課税済み出荷量は2013年、9年連続で前年割れとなった。1人当たりの消費量も07年から1割以上減っている。ただ、消費者調査では若者のビールへの関心が低いわけではなく「ビールを飲めるようになりたい」との意見も根強い。

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アサヒビールマーケティング企画部の火置恭子担当副部長は「飲用機会の減少は確かだが、ビールを楽しめる場を提供できれば需要を開拓できる」と分析。そこで上司や先輩と密にコミュニケーションができる「酒場」の文化を伝えることが効果的と判断したのだ。

リクルートでも若年層の消費を大きなテーマに掲げ、取り組みを継続している。その一つが11年から開始した対象年齢を限定した需要創出企画だ。全国のスキー場が19歳限定でリフト券を無料にする「雪マジ!19」や、20歳を対象にサッカーJリーグの試合に無料招待する「Jマジ!20」で、累計数十万人規模の利用実績がある。

アサヒとリクルートでは、スマホや「お得感」で若者の興味を引き出しながら、ビールを媒介にした新しい楽しみ方を提案できれば、顧客の取り込みが期待できるとみている。企画に参加する飲食店にとっても「若者の来店が増え中高年の常連客との接点も広がれば、店の活性化にもつながる」(東京・有楽町の美味千成)とみる。

ビアマジ!21では期間中、就職活動中の学生と先輩社員との交流会やビール工場でできたてのビールを体験できるイベントなども計画している。来年度以降も定期的に開き、実施エリアを拡大する考えだ。一連の企画に関連して収集したデータは新たな販促策に活用することも検討する。

(河野祥平)

[日経MJ2014年1月31日付]

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