Eの新話(日経産業新聞)

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

バラ色の水素社会に落とし穴 製造時のCO2増やすな
日経エコロジー編集部 馬場未希

(1/2ページ)
2014/1/25 7:00
共有
保存
印刷
その他

 国の中長期にわたるエネルギー利用の指針となる「エネルギー基本計画」。東日本大震災後では初めてとなる改訂版が2月以降、閣議決定する見通しだ。

 改訂案に対する人々の関心は、主に原子力発電の利用に関する記述に向けられている。その陰で「水素」が将来、中心的な役割を担うと指摘されたことはほとんど注目されていない。

■サプライチェーン構築が不可欠

ジャパンブルーエナジーの木質バイオマスを使う水素製造実証プラント
画像の拡大

ジャパンブルーエナジーの木質バイオマスを使う水素製造実証プラント

 政府は基本計画の改訂案において、2020年に開催予定の東京五輪を「世界が新たなエネルギー源である水素の可能性を確信するための機会」と位置づけた。そのうえで「必要な取り組みを今から計画的に着実に進めていくべき」と指摘している。大会運営時には水素を燃料に使う「燃料電池自動車」が活躍するとされる。

 実際、自動車メーカーは15年から燃料電池自動車の市販を始める計画である。販売台数を徐々に増やし、20年を本格的な普及元年にしたい考えだ。水素の製造、供給などを担う石油元売り会社やガス会社の計画によると、15年にも国内100カ所で水素ステーションの運営を始め、20年には1000カ所に増やすという。

 自動車に加え家庭用燃料電池やガス発電の燃料にも水素を使う「水素社会」の実現には、製造から貯蔵、輸送、販売、利用までのサプライチェーン構築が欠かせない。政府は今年度中にも、サプライチェーン全体を俯瞰した技術開発や体制整備などのロードマップをまとめる。

 水素は発電や自動車走行などの利用時に二酸化炭素(CO2)や大気汚染物質を排出しない。この環境性が注目され、燃料電池自動車は「究極のエコカー」とも呼ばれる。

 しかし、水素は天然ガスや石油など化石燃料を改質して製造するのが一般的だ。資源国で化石燃料を採掘する時に加え、製造する時にもCO2が排出される。化石燃料のまま従来通り利用する場合と比べて、ライフサイクル全体でCO2排出増につながっていないか。気候変動の国際交渉で議論されているように50年に世界で50%もの温暖化ガスを削減する場合は、製造時も含めてCO2排出量を抑える必要がある。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!

【PR】

Eの新話(日経産業新聞) 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

ダウ・デュポンが出資比率を引き上げるサウジアラビアの石化複合施設=ロイター

ロイター

サウジ合弁買い増すダウ 米と中東の2極体制へ備え

 米ダウ・ケミカルと米デュポンが8月31日に統合手続きを終え、世界最大の総合化学メーカー、ダウ・デュポンが発足した。ダウ・ケミカルはその直前、サウジアラビアでの巨大合弁事業について、出資比率の引き上げ…続き (9/18)

環境分野でデジタル革命 周辺整備が不可欠

 人工知能(AI)、ビッグデータなど呼び名は様々だが、情報の蓄積、データの高速処理、インターネット、それにセンサー技術を統合的に活用するデジタル技術のポテンシャルの大きさは誰もが認めるところだ。
 同分…続き (9/11)

日本が議長国を務めたCOP10で名古屋議定書は採択された

名古屋議定書、国内でも効力 生物多様性保全へ一歩

 8月20日、わが国でもようやく効力が生じることとなった「生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」は、2010年10月18~2…続き (9/4)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

TechIn ピックアップ

09月25日(月)

  • 自動運転時代到来で、自動車市場は急拡大する 名古屋大学COI未来社会創造機構客員准教授の野辺継男氏に聞く
  • アップルが開発した「ニューラルエンジン」は、人工知能でiPhoneに革新をもたらす
  • 日産と三菱が「EV祭り」フランクフルトショー欠席の理由

日経産業新聞 ピックアップ2017年9月25日付

2017年9月25日付

・火災、IoTで遠隔通知、岩崎通信機など
・「勝ちには力、負けには夢」 ロボコンの父、森東工大名誉教授に聞く
・心筋細胞で動く微小装置 阪大、拍動に合わせ屈曲
・クラボウ、高速で欠陥品判別 飲料ペットボトルの画像診断装置開発
・テルモ、米国でカテーテルの開発体制整備 拠点統合や研修施設
…続き

[PR]

関連媒体サイト