豊島区が新条例、住宅の再検査可能
東京都豊島区は戸建て住宅の完成時に適法かを検査していない場合、検査をやり直せるようにする条例を制定する。検査を受けていない住宅は売却や賃貸しにくいことがあり、区が適法性を示すことで、空き家予備軍にならないようにする。区によると全国初の制度で、老朽化住宅の取り壊し費用の助成策も併せて導入するなど空き家対策を強化する。
7月の施行を目指して2月に区議会に条例案を提出する。
「既存建物の調査・通知制度」は所有者の依頼を受け、区が完成当時の法令に適しているか検査し、いわばお墨付きを与えるもの。所有者が確認申請書や契約書などを保存していれば、1万1千~2万3千円の手数料で結果通知を受けられる。
建築確認の制度が変わった1999年以前の木造2階建て住宅などは、7割以上が完成時の検査を受けていないという。売却・賃貸の障害となり、空き家になっても放置される恐れがある。そこで区が独自に条例に基づき検査を補完することで、所有者が売却や賃貸などを円滑に進められるようになる。
同制度のほか、上限100万円で取り壊し費用(除却費)を補助したり、専門家を派遣したりする制度も導入する。空き家に限らず、管理が十分でない建物にも適正な維持管理を求めるなど、対策を進める。