「稼ぐバイオVB」に熱視線 時価総額1000億円超も

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2013/12/29 7:00
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今年の新規株式公開(IPO)は54社と回復傾向にある。24日にトリを飾ったのがバイオベンチャーのヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)だ。ほぼ10年ぶりのバイオ企業の上場ブーム。「株価は高いが、赤字体質」と言われたバイオ企業だが、新規上場組は明確な収益モデルを確立し、「稼ぐバイオ企業」と熱視線を向ける人もいる。人気再燃となるのか。

東証マザーズに上場し打鐘するHMTの菅野社長(12月24日、東証)

東証マザーズに上場し打鐘するHMTの菅野社長(12月24日、東証)

■うつ病診断キットで脚光

「『13年最後のバイオベンチャー』としての上場は狙っていた」。24日、クリスマスイブに東証マザーズに上場したHMT。初値は3100円で公開価格の2.2倍。菅野隆二社長はホットした表情だ。

HMTは03年に創業した慶応義塾大学発のベンチャーだ。本拠は山形県鶴岡市の同大・先端生命科学研究所に置く。主要事業は、新薬開発や病気を診断するために活用できる体内の代謝物の測定の受託や、「バイオマーカー」と呼ばれる診断キットの開発だ。

1つの細胞は約3000個の代謝物を持つと言われる。「病気の場合に代謝物を解析すれば、原因となる遺伝子の解析よりもより直接かつ、正確な診断につながる」と菅野社長は解説する。現在、同社は代謝物の測定を製薬会社や大学などから受注するほか、病気の診断に使う診断キット開発を行っている。特に期待を集めるのがうつ病の診断キットだ。

患者が急増するうつ病――。大半の医師が診断基準と照らし合わせ、経験に基づいて治療する。検査による診断は普及していない。しかし、HMTでは血液中の物質を計測することで、うつ病にかかったことはもちろん、治癒したかどうかも客観的に判断できるという。開発が成功すれば、「現在は評価が難しいうつ病の診療を大きく変えるかもしれない」(菅野社長)と強調する。

HMTの14年3月期の売上高は前の期比で28%増の6億3800万円、経常利益は2600万円となり、黒字化する見通しだ。

■収益モデルをうまく構築

今年上場したバイオ企業は全部で5社。02年~04年にかけてのバイオブーム時の年間上場数を超えた。HMTのほか、メドレックス、ペプチドリーム、リプロセル、オンコリスバイオファーマ。中でも、ペプチドリームとリプロセルは株式の時価総額が1000億円を超える大型株となった。

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