百貨店が消える日 流通革命へ「オムニチャネル」の渦 (藤元健太郎)

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2013/12/20 7:00
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一方で、生活者から見た究極のオムニチャネルは「今自分が欲しい商品がどこにどのくらいあるかを簡単に探せて、欲しいだろう商品も適切に薦めてくれて、一番自分にとって望ましい入手方法を選択して購入できる」という価値である。求められているのは顧客とコミュニケーションする場と、商品やサービスを体験できる場と、商品を生産・配送し入手できる場の最適化である。これまでのコンビニ、総合スーパー(GMS)、百貨店などの業態カテゴリーそのものも大きく変わることになるかもしれない。

藤元健太郎氏
1967年生まれ。野村総合研究所在籍中の93年からインターネットビジネスの調査研究、コンサルティングをスタート。日本初のインターネットビジネス実験モール「サイバービジネスパーク」をプロデュース。99年に故大川功氏のもとでフロントライン・ドット・ジェーピーを立ち上げる。02年から現在のD4DR株式会社代表取締役。経済産業省産業構造審議会委員、青山学院大学大学院EMBA非常勤講師なども歴任。ITによるビジネスや社会システムのイノベーションを発信・提唱し続けている。

藤元健太郎氏
1967年生まれ。野村総合研究所在籍中の93年からインターネットビジネスの調査研究、コンサルティングをスタート。日本初のインターネットビジネス実験モール「サイバービジネスパーク」をプロデュース。99年に故大川功氏のもとでフロントライン・ドット・ジェーピーを立ち上げる。02年から現在のD4DR株式会社代表取締役。経済産業省産業構造審議会委員、青山学院大学大学院EMBA非常勤講師なども歴任。ITによるビジネスや社会システムのイノベーションを発信・提唱し続けている。

例えば駅前商店街のパパママストアも、うんちくを語れるおじさんのコミュニケーションパワーだけあれば、商品の検索から配送までをネット事業者にまかせることで、リアルアフィリエイトビジネスとして成立するかもしれない。長らく業界を苦しめてきた在庫もオープンにしてグーグルのようなプレーヤーが束ねて流通できれば、価格をリアルタイムに最適化して、一定の価格に下がった在庫を自動的に買い付けるビジネスなどが登場し、商品の移動なしに所有権が転移するようになるかもしれない。

食品の賞味期限切れによる廃棄ロスなどは、情報流通がうまくできていないからこそ発生している。賞味期限間近な食品を企業間で簡単に売買できるようになれば、ロスはもっと減らせるかもしれない。企業内のオムニチャネル化により在庫データと顧客の行動データの統合管理が進めば、次の段階はオープンな企業間を超えた情報流通に進む可能性がある。その時代に残っている小売業は情報流通企業という言葉の方がふさわしいのかもしれない。

[日経MJ2013年12月20日付]

 「ECの波頭」は最新のEC事情を、専門家が読み解きます。執筆は、D4DR社長の藤元健太郎氏、通販コンサルタントの村山らむね氏、デジタルハリウッド大学教授の三淵啓自氏、アジャイルメディア・ネットワーク社長の徳力基彦氏が持ち回りで担当します。
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